「ウチの職場、若い子がイマイチ自発的じゃないんだよなー」
「アイツ仕事覚える気あるのかなー」
「職員さんがもっと積極的に動いてくれたらなー」
とか考える事ってありませんか?
経験や役職問わず、こんな気持ちになる事ってある気がしてます。
そして、どうにかしようと頑張ってみてる人の中には
・何度も伝えているのに事態は変わらない
・めっちゃ俺(私)時間やパワー使って関わってるのに
とかなっていませんか?
どこの業界でもある光景かもしれませんが、
介護の職場でも結構悩み相談される事が多いケースです。
今回は、介護現場の職員が自発的に動けるようになるにはどうすりゃいいのか?について、解説していきます。
自分で動ける仕組みを作る
結論いうと、職員さんをいきなり自発的にするのは無理です。
色々なタイプの方がいて
・やる気がない方
・性格的に大人しい方
・職場の雰囲気に馴染めない方
・キャパオーバーでそれどころじゃない方
など、それぞれ考えの幅も深さも違うからです。
そしてこれに対し、面談の機会や何度も説明を重ね、長期的な目線で待つというやり方をとるのも間違ってはいないですが、時間や労力の無駄が大きく、運要素も高い気がします。
そこまで堪えて待てますか?
きついですよね。
では、どー考えてみるか。
介護の現場で自発的な人っていうのは、
・「言われなくても、自分でどんどん動ける人」
・「分からないところは、すぐ確認できる事」
・「緊急時は、すぐ報告できる人」
を指す事が多い気がします。
つまり、要は段階的にこうした事ができる仕組みを考えていけば、自然と自発的な職員が増える職場になるのではないでしょうか?
言葉を凄くざっくばらんに言うと、
『自分たちで勝手に動ける仕組みを作る』って事です。
動けない人の心理を理解する
そんな仕組みを作るには、まずは動けない人の心理状態を具体的に理解しようとする事が必要です。
ありがちなのは、
・やり方が分からない
・マニュアルがなくて、手順に不安。
・勉強不足だったり、自分のスキルに不安があり自信がない。
・情報共有が上手くされておらず分からない。
・統一されたルールがない(人によってやり方が違うなど)のについていけない
・分からない時に、誰に、いつ、どこで、どうやって、どういう条件で聞けばいいかが分からない。
・上司や周囲の人への承認欲求からくるプライドが邪魔してる
・出来る事でも、なんとなく許可が必要だと思っている
・許可をもらう対象の人が苦手でさらに後回し
・自分の役割ではないので、責任は持ちたくない
・コスパに合わずやりたくない
・めんどくさい
・何かしら動かない言い訳を自分の中で作っている
・・・・他にもまだまだありそうですが、これくらいにしておきます。
こうした動きたくないと思っている人には『動け!』と伝えてもあまり意味がありません。
なぜなら、
既に自分たちの中に『動かない』と判断している理由があるから。
その理由を突破するには、
動かざるを得ないか 動きたくなる気持ちになってもらうかという視点にフォーカスするのが良いです。
上記の動かない人の気持ちの例でも、大まかに考えてみると2タイプに分けられ、
・何か補助があれば動機になる人
・いくら補助があっても動機に結びつかない人
がいます。前者の方には動きたくなるようなアプローチ、後者の方には動かざるを得ないアプローチをしていきます。
自発的に動ける仕組み
=動かざるを得ない気持ちにアプローチ
or
動きたくなる気持ちにアプローチ
を仕掛け、行動に繋げる事。
ゴールが自発性を求めているのに他人がある意味積極的な介在をしていくのは、
一見矛盾してそうですが、初めは他者が介在してアプローチを仕掛けていきつつ、次第に自分で動ける状態にもっていく事を目指します。
仕組み作りの『型』となるポイント3つ
アプローチといっても単純にコミュニケーションをとっていくだけではなく、動く為の『型』を作っていきます。
ポイントは下の3つです。
①ルール化
②環境整備
③習慣化
ルール化
やってほしい事をやるべき事に変えるという意味でルール化するのは型作りに効果があります。
アプローチとしては、
あくまで、動いてほしい人の目線でルールやマニュアルを作り、強制の要素と自主性の要素を両面で考えていきます。
例えば期待できる効果として、
・マニュアルや手順書、図解に類するもの
→覚えているのが当たり前なんだけど、恥ずかしくて聞けないが分からなくなったら確認できる。知らない事を覚えられる。選択の自由があるので、自主性を持たせられる。
・職員によってやり方が違う業務の統一ルール
→何を基準にするか、優先度は何かが分かる。強制力と同時に周囲への所属・承認欲求が生まれる(やらないと周りに言われる。評価が下がるなど)。
そして、ルール化した行動をとる意味やコスト対効果を伝えることで、『なぜ、そうなるのか?』が分かるので、動機に繋げる事が出来ます。※特にどこか言い訳がある人や理屈がないと動けない人へアプローチする際には重要。
環境整備
意外と思われるかもしれませんが、環境準備は仕組み作りにおいて大事なポイントです。
・「やってみようかな!」
・「すぐに取り組める!」
という環境構築ができるだけで、自然とやれる職員さんもいます。
介護職の現場では、利用者さんのケアとかに対しては環境づくりへの動きが出来ている事も多いんですが、職員への環境準備は後回しになりがちです。
ケアについては業務上やらざるを得なくても、職員環境は業務が回っていればわざわざ手をかける必要がないと思ってしまってないでしょうか?
本来は逆で、
『職員が働き易い環境』→『利用者のニーズに対応できる環境』
の順番で現場は構築していくべきです。
行動を起こす側の環境を先に作らないと、モチベーションが続かず良い改善をしようとする動きは習慣化されないからです。
習慣化
そしてルールや環境を整備したら、
・行動を始める
↓
・行動を続ける
↓
・続けるのが当たり前になり、かつメリットを感じられる
という流れを作ってあげると、習慣化し、次第に前向きに自分から自発的に動けるようになります。
さらに可能であれば、なかなか動けなかった状態から動けるようになった職員が出てきたら、その方を発信者(チーム内のインフルエンサーなど)になってもらうといいです。スポットライトを浴びる活躍の場を作るでも良いでしょう。動くメリットを感じ始めている段階で、その職員の自信に繋がりますし、他の職員からの見え方も良くなります。
リーダー以外でこういう職員が出てくると、動く事にネガティブキャンペーンする人は減り、チーム全体での自発性も加速していくので、連携の良い雰囲気のチームにもなっていきます。
習慣化する為には一番大事なのは『モチベーションの維持』です。
ここまではどちらかというと直接的に介在ではなく、間接的な介在だったかもしれませんが、部分的に直接的な介在をしていきます。
具体的には、
・自由を与える
・権限を与える
・役割やミッションの提示
・失敗をOKする。
というところをポイントにしてみましょう。
ルールなどを守らせる意識だけでずっといると、自発的な職員は出てきませんし、モチベーションは下がっていきます。それでは、単に支配や利用しているみたいなのと変わらなくなってきてしまいますからね。
メンバーに自主性を持たせアウトプットの機会を作り、見守るのが最終的には大事になってきます。
その自主性を持たせるタイミングは、『ポジティブな発言や態度が増えたり、動くメリットを感じた時』です。前傾姿勢になり歩み出すようにモチベーションの原動力になる瞬間なので。
まとめ
・動けない人の気持ちを具体的に理解する。
・動かざるをない仕組み、動きたくなる仕組み作りをする。
・直接的に積極的なアプローチをしていくのは、ポジティブにモチベーションが動いたとき。
今回は、動ける職員さんを増やすにはどうするか?という問題解決策を書いてみました。
どこかでお役に立てたら幸いです。
読んで頂きありがとうございました。
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