介護の社内向け研修をする際のポイントまとめ【資料の作り方、研修の流れ、気配り】

介護のリーダー向け

どうも、介護福祉士のなおべい(@naobei)です!

介護の仕事をしていると、社内だけでも色んな研修に参加したりします。

 

そして、今度は自分が教えたり、発表する立場になったとき、

「いきなり研修講師をするよう言われたけど、何をすればいいんじゃーー」

研修のやり方で色々迷うことがあると思います。

 

今回は、そんな研修を担当される方向けに

介護の社内向け研修資料の作り方について解説していきます。

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研修の形式をどうするか

介護の研修のスタイルはいくつかやり方があります。

テーマや状況に合わせて、変えていく必要があるんですよね。

座学研修

文字通り椅子やテーブル席に座って、研修を受ける形式です。

・講義

・グループワーク

とやり方があります。

1度の研修で全部を複合しながらも可能です。

 

講義形式は、指導講師が職員の前でデータ資料や口頭で教えるスタイルです。講師が説明し、職員はその内容を聞いて学習していきます。

習得出来る知識の範囲が濃密になる反面、聞く側は基本受け身の状態になるので、個々に集中して取り組んでもらう必要があります。

 

グループワーク形式は、テーブルや椅子ごとにチームを作り、ビジネスフレームワークに取り組んだり、テーマに関するディスカッションや発表を行う形式です。

自分の意見を表に出したり、他者との中での自分の振る舞いを考えながら、能動的に学ぶことになります。主催者はヒントや学びの方向性を指示しながら、最終的なまとめをすることが求められます。

実技型研修

介護は理論だけではなく、実際に手や体を動かして仕事することになるので、

実技も非常に大切です。

・介護技術

・医療的ケア

・救命救急

・防災訓練

など

経管栄養や喀痰吸引などの研修は実務者研修や資格取得後の研修で行ったりします。

救命救急や防災に関する研修では、医療専門職のほか、消防署の協力を得て行う場合もあります。

 

実技型の研修は、大人数で行うと練習の回転が遅くなるので、1つ1つのテーマで時間がかかります。また、対人形ではなく、人対人で行う場合はお互いに身体に触れ合うこともあるので、同性同士で行える配慮なども必要になっていきます。

情報の集め方

情報は、

・Webサイト

・本

・YouTube

・過去の社内資料

・論文

など

で十分集められると思います。

情報を集める上でのググり方については、こちらの記事を。

 

注意点としては、

情報の信用性には注意した方がいいです。

特に医療処置、法律に関する内容はしっかり信用性の高い情報で行っておかないと、あとで研修内容の不備で現場でミスが出た場合に取り返しがつかない問題を引き起こす可能性があります。

 

時間に余裕があるのであれば、複数の情報を照らし合わせながら、信用性を確認してみると良いと思われます。

法律に関しては、行政のホームページで直接確認すれば最新の情報になっているのでそちらを確認しましょう。

資料にする内容

資料は、集めた情報を元に、自事業所のサービスとして使う内容に合わせて作成していきます。

ポイントとしては、

・テーマを絞って決める

・要点は網羅しておくが、研修の時間内で触れられる範囲で作成する

・文字だけでなく写真や図や表を入れて、分かりやすくする

・PCで作成し、パワーポイント、エクセル、ワードなどで作る

作成資料を使わずに、参考資料をコピーなどして教科書がわりにしてもOK

現場の実際の業務にリアルに使える内容を入れる

です。

 

作成した資料を今後のマニュアルとして利用するのであれば、ある程度テーマ内容を網羅して記載しておく必要がありますが、

レジュメのように要点をまとめて、研修時に解説を加えていく方法も取れます。

資料作成時は、研修を「どのような形式で」「どれくらいの時間で」「どんな流れで行うか」、考えながら作成すると良いです。

研修の流れの一例

一般的に行うことが多い、座学的な研修の流れを例にポイントを挙げていきます。

研修の目的や意義

まずはじめに、研修の目的や行う意義を示すことが大切です。

 

職員それぞれの知識やスキルの習得が大目標ではありますが、

各テーマの内容が、「なぜ、必要なのか?」を理解してもらわないと、現場で活かそうという意識にはなりにくいからです。

 

なので、

まずは

「なぜ、今回の研修のテーマを学習する必要があるのか?」

「どんな時に使えるものなのか?」

など習得に意味がある根拠を説明しましょう。

前提知識のインプット

参考資料を使って、内容の解説をしていきます。

 

たとえば、

認知症に関する理解をテーマにする場合は、

・認知症の定義

・認知症の種類

・中核症状とBPSD(周辺症状)

・関わり方

など

を解説していきます。

 

この際のポイントとしては、

・法定研修などで何度も繰り返し説明してきた内容でも、また繰り返す

内容のレベルは経験の浅い人まで理解できるようにする

切りのいいところで質問を受け付ける(専門用語や意味が分からない部分など)

です。

 

経験年数の多いベテランも参加していると、知っているであろう情報も繰り返しになってしまう場合がありますが、社内研修においては知識やスキルの底上げが目的にあるので、

基礎的な内容の繰り返しも重要です。

中には忘れてたり、意識せず実践できていない人もいるからです。

 

そして解説に集中するあまり、聞いている側をおいてけぼりにしないこと。

意識していないとよく分からないまま流して解説してしまいがちですが、

ときには理解度を伺いながら解説することも大事です。

問題提起

インプットだけだと、人間の記憶にはあまり定着しません。

読書でインプットしたとき、本の情報は全体の7%程度しか吸収出来ないという研究結果もあるようですが、研修でのインプットも似たようなことがあります。

インプットだけでなく、アウトプットの機会が必要です。

 

1つは、問うこと(問題提起)です。

 

問う際のポイントとしては、

・クイズ形式にしてみる

・職場における実際例を考えてもらう

クイズ形式は、1問1答にしたり、穴あき問題にしたりして、インプットの延長でアウトプットをしてもらう形です。

 

また、学んだ内容を自分はどう現場で生かすかなどを発表してもらうのも、

研修後の具体的な行動に結びつきやすいので良い機会になります。

ディスカッション(議論)

アウトプットのもう一つの方法は、

ディスカッションです。

 

研修で学んだことを、

・各職員ごとの意見の照らし合わせ

・実際どういった方針で現場をやっていくか

などを、メンバーで話し合っていきます。

 

社内研修であれば、

具体的な利用者のケースを挙げて話し合ったりすることも可能です。

抽象的だったり、すぐ使えないケースよりも、

翌日からすぐ動けるような内容で考えていくとディスカッションの意味がハッキリして盛り上がります。

 

議論する際のポイントとしては、

・時間制限を決めておく

アクションプランとして何かしらの結論を出してもらう

です。

話が広がり過ぎて収拾がつかなくなる場合もあるので、時間を決めた上で、

どういう行動をとればよいかをまとめてもらいます。

研修の締め

研修の終わりに、

・当日学んだことのおさらい

・ディスカッションで出た意見のまとめ

・補足情報の解説

など

を、講師がまとめて研修を締めます。

 

介護の社内研修の注意点として、

終わった後に研修参加報告書を必ず書いてもらう必要があります。

研修参加の記録として、行政からのチェック事項にもなっているので、

忘れずに配布・回収を行いましょう。

良い研修にする為の気配りQ&A

時間はどれくらいがいいか?

社内研修であれば、長くて1時間ぐらいに抑えた方がいいと思います。

参加者は希望ではなく、強制の場合もあると思うので、

・長くやっても集中力が持たない

研修でも人件費はちゃんと発生してしまっている

ことが理由にあります。なんだかんだココは無視できません。

 

体制づくりの基礎として、よほど必要な情報共有の機会とするなら別ですが、

短い時間でも分かりやすくまとめて、行動に移せるような研修を目指した方がいいです。

 

あるいは、

30分程度の時間にしておいて、こまめな開催にしていくのも一つの手です。

介護技術などの内容は長い時間やっても1回では中々身につきません。

実践回数を増やすことで学習効果があるものもあるので、状況に合わせて変えてみるのも良いと思います。

テーマの数は?

テーマをいくつも盛るのはあまりオススメしません。

 

研修時間内での深堀りや行動に結びつけるまで発展させるのが、短時間では難しいからです。浅い知識で終わってしまいます。

必要に迫られ短時間に詰め込むなら、シンプルに資料を配って、レポートを提出してもらった方がよっぽどいいです。

 

なので、ちゃんと時間をとって研修として行う場合は、

1つか2つ程度のテーマに抑えて

伝える内容を深くした方が良いと思います。

導入、ブレイクは?

社内研修であれば、初対面ではないと思うので導入の掴みはそこまで気にする必要はないです。

研修テーマの学ぶ目的を示し、始めれば大丈夫です。

 

ただ研修を受けている人の集中力を維持するには、時折アイスブレイク(緊張をほぐしたり、コミュニケーションが取りやすい雰囲気にすること)が必要だったりもします。

・資料には掲載していないような話

・現場のリアルに繋がる話

・短めの雑談

を取り入れてみるといいです。

 

ただ、あまりに内容が逸れたり、長くなってしまうと時間内に研修範囲が終わらなくなるので、あくまでちょっとした雰囲気作りを意識しましょう。

研修環境で考えておくべきことは?

・参加人数分の椅子やテーブル

・空調の調節(温度25℃、湿度50%くらいが望ましい)

・プロジェクターやPC(必要時)

・配布資料

・研修参加報告書(アンケートとの併用可)

・ベッドや福祉用具(実技の場合)

効率よく学習するには、環境を整えておくことも大切です。

空調などは研修開始時間前から準備しておかないと意味がなかったりもするので、注意です。特に真冬や真夏。

まとめ

・テーマや時間によって、研修の形式や流れを考える

・インプットとアウトプットを上手く取り入れる

研修参加報告書は必ず書いて提出してもらう

今回は、研修のやり方について主に解説しました。

 

研修で教えたり、進行していく側になるのは、

はじめは慣れないことばかりで難しく感じると思いますが、

やってみると自分の成長にも繋がるのでおすすめです。

 

今回の記事は以上となります。

読んでいただきありがとうございました。

 

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