介護レクでのホワイトボード活用術【簡単にバリエーションが増やせる】

介護職の現場改善

どうも、介護福祉士のなおべい(@naobei)です!

 

今回は、介護施設でやるレクリエーションについてです。

 

僕はデイサービスで、レクは色々とやってきたので少々自信があります。

そんな僕がレクに関して、

「これがあれば、真面目に一日ぶっ続けてでもやってられる!」

と思う最強のアイテムがあります。

 

それは、

ホワイトボード

です。


皆さんは知っていますか?

これがある事業所は、ゲームで言うと聖剣エクスカリバーを持っているようなものです。

 

今回は、そんなホワイトボードのケアへの生かし方を解説していきます。

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ホワイトボードで永遠にレクが出来る理由

ホワイトボードがレクで活躍できるってどういうこと?

って思われる方もいると思いますが、いくつか理由があります。

みんなの注目を引きつけやすい

教育系YouTuberで活躍されているオリエンタルラジオの中田さんの動画はご存知でしょうか?

 

もし見たことがない方はこちらがメインチャンネルの動画になります。

見てわかるように、

こちらの動画解説ではホワイトボードが使われています。

この動画を見て、皆さんの視線はどこに移動したでしょうか?

 

おそらく喋っている中田さんと同じくらい、ホワイトボードの文字も見たんじゃないでしょうか。

実は介護のレクで使うホワイトボードも同じで、

何かレクリエーションを始めた時に職員さんの方以上に、

ホワイトボードを利用者さんたちは見ます。

 

つまりホワイトボードの特徴の一つとして、

・利用者さんの顔を上げ、注目を引きつける効果

があります。

 

レクはまずは意識を向けてもらわないと、提供ができません。

そこでホワイトボードを持ってきて何か書き出すと、利用者さんが

「何かやるのかしら」

と、ちょっとワクワクする様子もあります。

1対多でサービス提供できる

注目を集められる特性を生かし、

ホワイトボードを使ったいくつかのレクは、職員一人で他人数へサービス提供ができます。

 

人員不足の状況下では、

職員の一人がレクの提供を行い、その間に他の職員が別の作業を済ませる

という作戦もとることが出来ます。

 

業務効率を考えた時にも、ホワイトボードレクはコスパがいいんですよね。

準備と片付けが楽なので隙間の時間でレクできる

準備するものがホワイトボードとマーカーさえあれば出来るので、

ちょっとした隙間時間にレクが可能

となります。

 

レクの定番である将棋やトランプ、工作などは、

始めたら少なくとも数十分は時間を要します。

準備や片付けが大変なのと、認知症や身体障害もミックスしている状態のサービスでは、利用者さんを選ばざるを得ない部分もあります。

その点を考えると、

業務の間が少ないとこうしたレクのサービス提供は難しいですよね。

 

ですが、

ホワイトボードを使ったレクでは、そのお手軽さゆえ

5分や10分程度の時間でも、楽しく働きかけたりすることが出来たりします。

利用者さんもボードを使った何かに慣れている

昔から僕ら日本人は学校教育を通して、黒板を使ってきました。

色や質感はちょっと違いますが、

ボードに書いて何かをするスタンス自体は慣れている

ところがあります。

クイズとかを始めると、学校の教室のようについ手を挙げて答える方もいるくらいです。

 

また、利用者さんにとっては、

とりあえずホワイトボードに注目しておけば、今やっていることについていけるという安心感もあります。

視覚効果により、認識や記憶想起につながる

ホワイトボードに書かれた

・文字

・言葉

・数字

・図

・絵

など

から、物事のイメージの認識ができたり、記憶想起につながったりします。

 

また、聴覚障害や言語障害のある方も理解や表現の際に、

視覚的な記録として残るので参加がしやすくなります。

職員のビジネススキルが鍛えられる

ホワイトボードを使ったレクをすることは、

職員にとっても得られるメリットがあります。

必然的にホワイトボードに何かを表現し、注目を浴びた中で進行などを行っていくので、

その過程でさまざな経験が同時に出来るからです。

 

色んな利用者さんの表情は状況を見ながら、

「何がウケるか」

「どこをフォローすれば参加しやすいか」

「どれくらいなら体力や集中が持つか」

を考えて、レクをやることになります。

その中で、

・表現力

コミュニケーション力

編集力

プレゼンテーション力(提案力)

計画力

対応力

人前で話す度胸

など

介護スキルというよりは、ビジネススキルに近いですが、

積極的にレクをやっていくうちにどんどん伸びていきます。

 

僕自身、色々な介護士を教えたりもしてきましたが、

ほんとの意味で伸びる人はレクをどんどん仕掛けられる職員さんが多いです。


やっているうちに外れや失敗もたくさん経験しますが、どうすればいいか考えるきっかけにして次に活かしたり、

「自分がやったことが利用者さんにウケた」

「何かポジティブな価値を生み出せた」

そういった成功体験はレクから結構生まれるので、

割と化けたりする印象があります。

ホワイトボードの活用例

表や図としての活用

・今やっているレクの名前

・ルールの説明

・イベントのプログラム

・運動や体操のプログラム

・スコアボードの表

など

利用者さんからみて、

「今は何をしているんだろうか」

「どんな状況になっているんだろうか」

に視覚的に答えることができます。

 

「操などで〇〇回繰り返しましょう」

と、声かけしても、

耳の遠い方には伝わりづらかったりします。

職員人数が充足していれば、空いている職員がフォローできますが、利用者さんの人数にカバー出来ないと、

フォローできず、利用者さんにとってはやる気なくして参加を辞めてしまう人も出てきます。

 

また、しりとりなど一人一人にインタビューしている間に何をしているか忘れてしまう人もいますが、視覚にあると認識できたりしますよね。

 

表や図で分かりやすくすると、認識して理解出来る人を増やすことができるので役に立ちます。

トーク

・自己紹介

・話題提供

・リアリティオリエンテーション

など

シンプルにお題を決めて、

『喋る』

これだけでもレクとして成り立たせることもできます。

 

僕がよくやるのは、

〇〇な話

です。

今まで行って良かった場所、人生で一番幸せに感じたとき、夫婦の馴れ初めや恋愛など。

お茶の間のインタビュー番組みたいな感じですが、結構盛り上がります。

質問自体もオープンクエスチョンだったりするので、

正解を出すよりは、

利用者みんなを巻き込んで楽しめる話題を探すこと目指します。

 

リアリティ・オリエンテーションは高次脳機能障害などのリハビリでも活用されていますが、認知症予防などにも効果的と言われています。

狙いとしては、見当識障害で認識が曖昧になってきている方へ、

「時間」・・・現在の時間、朝昼夜、月、年、季節、暑さ寒さの感覚など

「場所」・・・現在の場所、国、市町村、部屋、この場にいる理由など

「人」・・・人の性別、名前、感情、関係性、思い出など

についての現在の状況を意識してもらい、確認していくやり方です。

 

アルツファイマー型認知症の見当識障害は、

基本的には

時間 →  場所 →  人

で忘れていくと言われているので、

利用者さんからすると、人→時間→場所の順で難易度が上がっていくことになります。

(参考:認知症ネット「見当識障害の症状と対応」より)

 

科学的に効果が証明されているのと、トークの話題にも繋げやすいので便利な手法です。

ゲーム

・言葉の穴埋め(ことわざ、四字熟語、漢字、カタカナ、英語など)

・クイズ(芸能、地域、歴史、芸術、文化、音楽、食べ物など)

・古今東西(連想ゲーム)、しりとり(制限しりとり含む)

・数や空間のゲーム(四則演算、図形、間違い探しなど)

など

ホワイトボードを使ってのゲームはバリエーションが豊かになりやすく、

かつレクに不慣れな職員でも覚えやすいのでマニュアル化にもオススメです。

 

あらかじめ教養を幅広く持っている職員さんなら、そのまま始めることもできますが、

出来たらカンペのプリントや本、スマホなどを使ってやった方が取り組みやすいと思います。

僕がやっていたデイでは、様々なゲーム専用のカンペファイルを用意して、新人職員でも初日からレクができる状態にしていました。外国人留学生を受け入れしたときも、わずか1週間ほどでレクが出来るようにもなったので、あらかじめカンペグッズを作っておくと色々便利です。

音楽や発声

歌の歌詞

楽器や手拍子でのリズム

早口言葉

など

音楽の歌詞をマーカーで書くと、時間がかかるので、

模造紙などであらかじめ書いたものをホワイトボードに貼り付けた方が楽かもしれません。

他にもリズムをとって、ホワイトボードを見ながら上肢や下肢の運動に繋げること出来ます。

 

「音楽の時は、プリントや歌集を渡せばいいんじゃないの?」

という方もいるかもしれませんが、

ホワイトボードで実施すると、

・利用者の顔が上を向くので、他者と交流している感覚が大きくなる

・利用者の手が空くので、リズムなど他の動作もできる

こんなメリットもあったりします。

 

状況によって使い分けると幅は広がるのではないでしょうか。

その他のレク活用

マグネットが使える場合の活用

マグネットが使えるホワイトボードで、バリエーションの幅を広げることも可能です。

たとえば、

マグネットがついた色紙で、貼り絵

マグネット付きのピースで、パズル

ホワイトボードをすごろくゲームの盤にする

など

ホワイトボードによっては、会議用ではなく、壁掛けのものであれば、

横にしてテーブルに置くこともできます。

そこで、パズルやすごろくなどやったりするイメージです。

ボードゲームの盤にしてみるのも、楽しめる方法なのでオススメです。


パズルや貼り絵は、うまく掴んだりができないと難しかったりしますが、マグネットは置くだけなので簡単です。多少コストはかかりますが、半永久的に使えるのも良いところ。

プロジェクターの活用

ホワイトボードにプロジェクターを投影して、

レクリエーションをすることもできます。

 

ぶっちゃけテレビでも出来なくはないのですが、テレビだと高さや場所、大きさがいまいちだったりもします。

・Youtubeでカラオケ

・パワーポイントでクイズや脳トレ

・施設でやったイベント行事などを動画や写真で鑑賞

など

 

最近ではプロジェクター専用のホワイトボードもあったりしますが、高額なものも多かったりします。

普通のホワイトボードに貼る投影用のシート(安いものだと3000円程度)や光の調節で投影もできたりするので、お試しするのであればこちらがオススメです。

利用者さんに振る際のポイント

ホワイトボードでレクを行う際、職員さんがリードする場面が多いと思います。

そうした中での抑えておくとやりやすくなるポイントを解説します。

正解の範囲を広く取る

クイズ系のゲームをする際、

利用者さんは、物忘れや脳の障害などで上手く答えられない方もいるんじゃないでしょうか。

それをふまえて、

正解の範囲を広く取る

ことは上手くレクを実施するポイントになります。

 

昔、学校などでやっていた授業では、「覚えることが目的」だったので答えは明確じゃなければいけなかったかもしれませんが、

介護レクの目的は覚えるよりも、どちらかというと

「楽しんで脳を働かせる」ことが目的

です。

だから、必ずしも厳密な答えじゃなくてもいいんです。

 

たとえば中国の国旗を見せて、

「これはどこの国でしょうか?」

と問いかけたとして、

「中国!」と答える人もいるかと思いますが、

「アジアの国だよ」

「ラーメンが美味しいとこだよ」

「日本にも結構人きてるね」

など、それっぽい答えでもOKの空気感でやった方が多くの人が楽しめます。

 

クイズの途中で、話が膨らんで談話状態になるのであれば、

それはそれで交流する機会にもなるので良いことですしね。

 

場合によっては利用者さんから色んなことを教えてもらうことにもなったりします。

無理に先生になる必要もありません。

みんなで場を作っていくのがレクの醍醐味でもあります。

同じ人が即答してしまう場合の対策を持っておく

脳の機能が高さは千差万別で、レクをやっていると能力は特に顕著に違いが出たりします。

あえて別々にするというのも、やり方としてはアリですが、

一緒にやっても成り立つようは配慮もいくつか考えておくとやりやすいです。

 

たとえば

クイズなどで毎回すぐ答えてしまう方がいる場合は、

・順番制にして聞いていく

回答してもOKにして、数名の回答が出てから正答をいう

答えじゃなく、その方にはみんなにヒントを出す役割を担ってもらう

つい止めたくなったりもするかもしれませんが、止めるとやる気をなくしてしまう場合もあるので、

答えてくれる利用者さんを上手く生かす

ことを意識するといいです。

利用者さんのレベルに合わせる

レクは残存機能の向上する意味合いを持たせることもアリですが、

難易度が高いと挫折します。

なので、

「できる難易度」

を設定する必要があります。

 

ポイントとしては、一つの難易度に固定してレクを続けないことです。

 

個別対応でレクをやる場合は、その人のレベルに合わせて難易度を決められますが、

集団になってくるとレベル合わせが難しくなります。

難しいと出来ない人が出るし、

簡単だとつまらない人が出てくる。

 

僕のオススメは、

・段階ごとに難易度を上げて、結局全ての難易度をやる

・順番制なら利用者ごとに難易度を合わせる

です。

集団に対して行う場合でも、

難易度を一通りやれば、出来なかったりつまらないものは一時的なものになり、

どのレベルの方にも合わせつつ、レクとして成立させることが出来ます。

ウケなかったら、すぐ変える

レクをやっているとウケないときもあります。

 

理由は、

・利用者さん自体が気分が乗らなかった

・集中力が続かなかった

・職員のやり方がイマイチだった

など

僕自身も何度スベったか分かりません笑

 

そういったときは、

レクが途中でも中止して、別のレクに切り替えたほうがいい

です。

 

無理にずっとやっていても、つまらないですし、

利用者によっては認知症の周辺症状で訴えが出てきたりもします。

 

僕の経験上、ありがちなのは、

新しいレクを導入したときです。

利用者さんからすると馴染みがなく、職員も説明や盛り上げ方が拙くなってしまったりするからです。

チャレンジすること自体は良いことですが、ウケなかったら素直に引き、改良してからまたチャレンジしてみてもいいんじゃないでしょうか。

お手入れや、消すときの小技

ホワイトボードのお手入れとしては、

・ホコリをこまめに掃除する

・レクが終了後はマーカー部分は残さず消す

が基本です。

ホコリの付着や、マーカーのインキの付着がボード表面に残っていると、

インキが落ちにくくなってくるからです。

 

しかし注意していてもホワイトボードを使い込んでくると、

ボード消しだけではマーカー跡が消えにくくなってきます。

どうやら使っているうちにボードの表面自体は劣化してしまうので、多少はしょうがない部分があるようです。

 

もし、ボード消しでも消えなくなってきてしまった場合は、

まずは水拭き。

それでもダメなら、消毒用アルコール。

を使うと良いようです。

※中性洗剤でもインキが落ちたりしますが、界面活性剤の成分がボードに付着し劣化の悪化原因になるので注意。

参考:ホワイトボードの文字が消えない時の解決方法と原因、日頃のお手入れ

終わりに

ホワイトボードはあるけど、あまり使っていないという事業所もあるかなと思います。

もし、5分でも10分でも空いた時間にレクをやる際にでも、

ホワイトボードは、

とても使いやすいので是非活用していただけたら嬉しいです。

 

誰もが最初は上手くいかず、

僕のようにスベることもあったりしますが、

レクをやっていくうちに掴みが分かってきます。

 

今回の記事がどこかでお役に立てたら幸いです。

読んでいただきありがとうございました。

 

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