直感で解決できない問題に目を向けるのはつらい

介護職の悩み解決

なんとかしたい問題に直面しているとき、まずどう捉えるべきか。

問題解決法は色々あって、

そのときそのときでその問題に合った解決策を考えるのが定跡だけども、人間の本能的な性質を無視していきなり対処していくのは、結構難しい。

何度も同じ問題に当たって慣れてきたり、経験を積めた人はいいけど、そう始めから上手くはいかないですよね。

今回はそのあたりの話を深掘りしてみます。

 

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直感的に考える&合理的に分析して考える

ところでファスト&スロー(ダニエル・カーネマン著)という本をご存知でしょうか?

行動経済学でノーベル経済学賞を受賞した博士の本なのですが、

そこで人間が思考をする際に2つのシステムが働くようプログラミングされているという理論を唱えられています。

(二重過程説・・・人間の認知や行動は2つのシステムから形成されるという理論)

⑴システム1・・・無意識に直感的に働き、即時的な判断を行う。低労力。過去の知識や経験や信念での思考。

⑵システム2・・・意識し合理性を分析しながら判断を行う。低速で高い労力が必要。抽象や仮説での思考。

で、基本的には人間の本能は、システム1が優先して機能するそうです。

無意識つまりオートモードで働いているのがシステム1だから。システム2はマニュアルモードのようなもの。

他の行動経済学の本でも触れられているが、システム1に抗うのはかなり厳しい。

では、どうするか?

システム2のモードに一旦切り替えて環境や仕組みをデザインし、システム1をコントロールする

という作戦があります。

 

システム1が悪くて、システム2が良いとかではなく、

本能で動くシステム1的思考や行動をコントロールして、どちらも上手く活用するという作戦です。

あくまでも、システム1(直感で動くこと)もシステム2(合理的に動くこと)も文明社会で生きる人間にとっては、どちらも必要なものですよね。

直感だけじゃ解けんわってことに気づく

ここで記事の本題に戻ります。

問題に直面することをふまえ、僕らは

「問題となる事柄には直感ではどうしても解けない問題がある」

という現実を受け止めなくてはいけません。

 

たとえば、

プラモデルを作ったことがない人が、説明書もなく直感で組み立てることって出来るでしょうか?

編み物をやったことがない人が、編み方や道具の使い方も知らずにセーターを編むことって出来るでしょうか?

 

いずれも、熟練者の人なら「感覚でできるよー」という答えが返ってきそうなものですが、

初めて経験する人(あるいは経験不足な人)にとっては、とても直感で解決できる問題じゃないですよね。

とりあえずやってみたはいいが、「できねーわ!」

と挫折した経験がある方もいるんじゃないでしょうか。

まずやってみる、というのは大事だけど、それだけでは厳しい。

システム1の思考だけでは解決は難しいことがあるんです。

 

そこでどうするか??

もちろん、システム2の思考を利用します。

ざっくりいうと、

説明書を見たり、概要を把握してから、

「こうすればできるんじゃないか?」

「いやダメだ」

「なんでダメなんだ?」

「これでいいかな?」

と問いと仮説を立てながら、試行錯誤を繰り返すことになります。

やっていくうちに段々と繰り返すスピードが速くなり、間隔が狭くなっていき、

ほぼシステム1の状態でもこと足りる仕事も増えていく。

その種の問題解決能力をつけるには、こんな流れがあるんですよね。

 

であるならば、

この流れを知っておかなきゃならない。

初心者なら尚のこと、熟練者も。

 

とはいえ、

いちいち考えるのは理屈で考えるのは、やっぱめんどくさいですよね。(僕もそのうちの一人です笑)

そのせいで、

つい未知の問題に出会っても、直感を信じて判断してしまうのが習慣になっていたりもする。

また、そもそも直感で解決できない問題であるという事に気づかないというケースもある。

てことは、

もし指示を出したり教えるような立場の人だったら、

面倒でも合理的に考えるほうへと意識的に気づかせてあげる必要もあるんですよね。

  

今は情報のスピードと変化がとにかくはやい!

状況もなにがきっかけで変わるわからない!

問題に取り組む際は、

職人芸のように直感的なやり方で解決を任せていい問題なのか、

時代が変化している中で仮説を立てながら答えを探さなきゃいけない問題なのか、

問題の性質をシステム1とシステム2を行き来できる思考力を鍛えることは、

いっそう重要になってきています。

 

直感だけで解決できない問題に取り組むのは、ちょっと根気がいるかもしれませんが、

あとあと楽になります。

頑張りましょう。

 

今回は問題に取り組む際にどう捉えるべきか、考えてみました。

記事は以上となります。

 

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