折り紙をレクでやる意味と幅を広げて考えてみる

介護職の現場改善

どうも、介護福祉士のなおべい(@naobei)です!

 

折り紙を使ったレクって介護施設の定番ですよね。

ただ、もしかしたらどこか幼稚な感じのイメージってもっていたりしませんか?

 

けど、そこのイメージでだけでいるのはもったいない。

実は、折り紙ってガチでやってみると深いんですよ。

(僕も最近改めて感じたんですけどね・・・。)

 

ちょっと折り紙について調べてみると、

・日本由来で世界に「オリガミ」として知られている。

・折り紙の技術は、医療や工学など様々なところ応用されている。

・造形美のあるアートとして受け入れられている

 

なんかすごくね?

 

今回は、そんな折り紙をレクでやる意味やポイントを解説していきます。

スポンサーリンク

折り紙がもたらす効果と可能性

折り紙ってレクでやったりするけど、

ぶっちゃけ高齢者の方にとってどんな効果があるんでしょうか?

認知症予防になる

折り紙の良いところは、僕ら日本人にとって昔から馴染みがあるところ。

 

日本育ちであれば、ほとんどの人が折り紙をやってきていると思います。

 

これは認知症ケアにとってはチャンスでもあります。

「馴染みのある活動から、認知症予防になる」

というところで期待が持てるからです。

そして

・折り紙をすると前頭葉が活発化する

・作るものについて会話することがコミュニケーションのきっかけになる

立体的なものを作ることが空間認識のトレーニングになる

作業に順序が求められることから、遂行機能の練習になる

など、様々な脳機能に良い効果があったりします。

 

手を動かしながら、工程にそって何をすべきか考えるので、

めちゃくちゃ脳トレになるんですよね。

手指のリハビリになる

折り紙は手先を使って、細かく折る作業があります。

一つの作品を作るだけでも、何度も折る動作が出てくるので手指のリハビリになります。

 

・素材を触って皮膚感覚を得る

・紙を掴んだり、折ったり、伸ばしたりする際に指先の力を使う

・両手で別々の動きを自然と行う

こうしたことが起こるので、リハビリ目的としても有効です。

 

手の力が中々入らなくなってきた人でも、ゆっくりでも動かせるなら紙を折るくらいの力はあります。

達成感から自信が得られる

折り紙は、何かしらの作品を作るという明確なゴールがあります。

一つ一つの動作を考えて試行錯誤しながら、ようやく完成するものなので、

作品ができた際は達成感があります。

そして、作品を作る為に自分がやれたことは自信にも繋がったりします。

 

以前僕が関わった利用者さんの中には、

「折り紙が出来たんだから、洗濯物くらい自分で畳めるわ」

とおっしゃり、家の中で役割が出来た方もいました。

 

また、しっかり形として残るものなので、見て楽しんだり、忘れたとしてもやったことを思いだすきっかけになったりします。

疲れるから、良く眠れる

折り紙をガチでやったことない人は、一度ガチでやってみてください。

マジで疲れることが実感できると思います。

 

というのも、

折り紙って脳をめちゃくちゃフル回転させるんですよね。

他の作業的なレクと比べても、脳の様々な場所を同時に動かすので短時間でも負荷は相当かかります。

 

『疲れやすい』作業であるのは、やり過ぎるともちろん肩凝ったり、ストレスに繋がることになるので注意が必要なんですが、

上手に適度に疲れることは、睡眠の質を向上させるきっかけにもなります。

 

昼間に傾眠気味だったり、テレビばかり見ている高齢者の方って結構多いです。

この状態のだと脳があまり働かないので、睡眠の質は低下してしまいます。

睡眠の質の低下は、様々な症状の悪化にも繋がることも。

 

そうならない為にも、

「折り紙をやって疲れて、夜はちゃんと寝る」

というのはアリじゃないでしょうか。

折り紙レクの工夫ポイント

紙以外の素材で折ってみる

折り紙という言葉通り、これをやろうとしたら色のついた薄い紙を使って作品を作るのが一般的なスタイルだと思います。

 

そこをあえて、他のもので代用してみたらどうでしょうか?

たとえば、

・布

・クレープ生地

・葉っぱ

・アルミホイル

・セロハン

など

だいぶテキトーに挙げてみましたが、

ここでお伝えしたいのは、

「素材が変わるだけでも、レクの意味や幅が広がる」

ってことです。

 

ハンカチみたいな布で『オリガミ』をすると、紙のように先を尖らせたり、細かな表現はしづらいですが、

・エンドレスに再利用できる

・布だからこそ、味わいが出る作品もある(植物系など)

・柔らかく、丸めても大きいので、怪我や異食のリスクが少ない

こんなメリットがあったりします。

難易度の調整

利用者さんの希望にもよりますが、

 

折り紙の難易度は、その人の能力や疲れ具合に合わせて

完成出来そうな難易度

が丁度いいです。

 

いきなり出来そうもなく辛いのはやりたくないですし、

やってみて完成出来ないと達成感が減ります。

 

また、身体機能的に折り紙のハードルが高い人もいることを忘れてはいけません。

たとえば

・認知症などで遂行機能に障害がある方

・片麻痺で手が片手しか使えない

・目や耳があまり良くない

など

さすがにあまりに重度の認知症などの方は折り紙は厳しいですが、

これらの方でも工夫次第で参加は出来たりもします。

2パターンの方法をご紹介します。

 

まず、1つは『出来る環境を整えること』です。

たとえば、

折り紙を大きい物にしてみる

薄くて柔らかい紙を使う

色がハッキリした折り紙を使う

作成図を拡大コピーする

作成図は1つづつ見せる(遂行機能が低下している人向け)

滑り止めマットをテーブルに敷く

棒やピンセットなど小道具が使える状態にする

など

出来なくなる部分はどこかを考え、環境からサポートを加えてやりやすくする部分に主眼を置いています。

食事や排泄、移動などはこうした視点で色々準備したりしていると思いますが、レクでも同様です。

「こうしたら出来るんじゃないか!」

を考えみると、サポートが必要なポイントが見つかったりします。

 

もう1つは『部分的な参加』です。

たとえば、

・一つの作品をグループで作ることにし、役割分担をする

のも良いアプローチだと思います。

色を選ぶ係、解説を読む係、折る係、切る係、貼る係など、

工程の中で担当を作って出来る部分で参加してもらうことは出来ます。

 

個人ワークじゃなくなりますが、あえてグループで一緒に参加するシステムにすることで会話になったり、他の人の動きを真似たり教えてもらったりすることにも繋がります。

まとめ

折り紙は、脳の活性化にめちゃくちゃ役立つ

紙以外の素材に変えてみると、レクの幅も変化する

身体的に厳しい人でも、出来る方法はないか工夫を凝らしてみる

折り紙をやるメリットや方法をあまり教わらず、なんとなく介護現場でレクをする人が多いんじゃないかと思いました。

そこを理解していないと、幼稚な活動な気がしたり、活用する方法が浮かんでこない気がします。

他のレクにも共通しますが、

どんな意味があって、どんな方法だったら出来るか

を考えることはアプローチする際大事ですよね。

 

今回の記事を、レクをする際の参考にしてもらえたら幸いです。

 

以上となります。

読んでいただきありがとうございました。


 

 




コメント

タイトルとURLをコピーしました