生活リハビリを介護で実践する上での考え方【ケアの最重要ポイント】

介護職の現場改善

生活リハビリといえば、日常生活で行うリハビリのこと。

 

けど、よくあるのが・・・・、

入って半年くらいの職員に、

「生活リハビリって何だかわかります?」

って聞くと、

「洗濯たたんだり、広告でゴミ箱作ることでしょ?」

って返ってくる。

 

それだとちょっと大事なポイントが抜けてるよーーーーーー!!!!!!

 

ということで、

今回は、生活リハビリを介護で実践する上での考え方のポイントを解説していきます。

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生活リハビリとは?

生活リハビリとは、

現在の残存機能を使って、日常生活の中で自然と行うリハビリ

のことをいいます。

一般的なリハビリは、運動や脳トレなどで積極的に機能の改善をしていくイメージがありますが、

対して生活リハビリは、実生活をしていく上で、本人が大切にしていることや習慣動作の中で機能が維持・向上できるような機会を作っていきます。

その点で違いがあります。

 

介護専門職としては、どちらのリハビリも大事にして関わっていくことになりますが、

とりわけ介護職としての役目は、

生活リハビリの支援

がとても重要になってきます。

介護士が行う生活リハビリ

なぜ介護士の役目が、生活リハビリにとって重要なのか?

というと、

『シンプルに日常生活で関わるのが一番多い業種だから』

です。

 

関わる場面が多く、時間も多い分、

やれることはたくさんあります。

逆にやれるのに生活リハビリの機会を奪ってしまうと、

どんどん機能は低下していきますし、

実現が可能なレベルが下がっていきます。

 

生活リハビリの範囲は、定義論で考えてしまうととても広いです。

意味合いとしては、

「自立支援の一つの在り方」

としてイメージしてもらえれば良いと思います。

 

生活リハビリは、日常生活で出来る自立支援はなんだろうか?を問うものです。

介護士の役目

たとえば

日常生活を成り立たせているものは何かと考えてみると、

・食事、更衣、入浴、排泄、移動などの生活上の動作

姿勢維持、呼吸、発声、睡眠、覚醒、感覚維持など本人の無意識でなされるもの

談話、買い物、読書、趣味活動、レクへの参加など社会交流や活動

お洒落、恋愛、嗜好品の利用、習慣的な癖や動作、人間関係の維持

など

が、あったりします。

 

介護士の役目は、これらを行うために、

どこに支援が必要で、どうやって支援をしていくかを考え対応していくことになります。

どこに支援が必要かを知る

まずはどこに支援が必要か。

 

これを考えるには、

利用者のADL、IADL

生活歴、過去の習慣

・趣味、趣向、性格

など

の情報をある程度得ている必要があります。

介護サービスの必須書類でもあるアセスメントが重要な理由はここです。

また、余裕があれば、センター方式でアセスメントをとってみるとさらに細かく分析できるので良いと思います。

 

そして、そこから

・本人は〇〇はどうありたいと思っているのか

を直で聞いたり、イメージしたりして、

支援が必要な部分をピンポイントで探っていきます。

 

ちなみに、この〇〇は、

・人間として

・身体の状態

日常生活

周囲との関係

など色々です。

どうやって支援をしていくか

支援するポイントの見当がついたら、

どうやって支援をしていくか

を考えていきます。

 

支援の仕方は2パターンです。

・ヒトによる支援(介助、声かけ、調整、関係構築など)

・モノによる支援(福祉用具、環境整備など)

そして、これらを

適切なタイミング、方向性、量で支援をしていきます。

個人としてはスキルを磨き、チームとしては仕組みで働きかける。

 

やり過ぎてもダメだし、足りないのもダメ。

邪魔はせず、出来ることを後押しする。

なぜなら日常生活は短期的なものではなく、明日も明後日も見据え持続するものだから。

バランスは難しいですが、都度の状況を確認しつつ対応していきます。

 

ポイントは

・過介助も、介助不足がないよう支援バランスをとる

・意欲とのバランスも考え支援する

・心身ともに常に変化があることを念頭に置く

です。

本人に合わせた適切なバランスの取り方が肝ですが、

本人に確認しながらモチベーションも維持できるよう調整するのが大切です。

 

たとえば、

昨日は〇〇ができたけど、今日は〇〇はできない。

ということもあるかもしれません。

 

そんなとき、

「できるけど気持ちが乗らない」

→意欲が高まるような声かけ、タイミングを変えてみる、環境整備など。

「意欲はあるが調子があまりよくない」

→無理せず中止する。難易度を下げ、意欲維持だけ達成を試みるなど

と介護する側が対応を変化させることができれば、

利用者さんにとってのプラスに貢献できるんじゃないでしょうか。

今この瞬間に何ができるか

介護サービスのリハビリってきくと、

アセスメント→プラン→支援→モニタリングって

つい頭に浮かんでしまうのであれば、

もうベテランの介護専門職だと思います。

 

ただ、あまりにココにこだわり過ぎると

スピード感持って適切な支援が出来ないです。

実務ではそのあたりを考えプランの範囲を広くしたりしますよね。

 

そこで僕自身がいつも利用者さんと向き合う時に実践していることをお伝えします。

新人からベテランまで出来ます。

 

シンプルに、

『今この瞬間にこの人は何が出来るか?』

意識的に考える瞬間を作ってみてください。

どんな状況でもいいです。

車椅子でテレビを見ている時、トイレで介助をしている時、デイサービスの送迎の車内など色々。

 

そして、

アセスメント情報に記載するまでもない、報告書にあげる必要もない、ほかの職員に笑われるかもしれない小さなことでもいいので、

『今この瞬間にこの人に対して、介護士の自分ができること』

ヒトとして支援の観点モノとしての支援の観点で、

探してみてください。

瞬間を切り取ることで、カンファレンスなどの場では出てこないアイデアや捉え方も生まれたりします。

 

そこが生活リハビリの実践のスタートになります。

生活リハビリを実践した先に何があるのか

介護現場で行なっている、

・食事の際、自助具や軽い食器、滑り止めシートを使う

・自操出来る車椅子や歩行器の利用

・ベッドからの起き上がりを手すりを掴み自分で行ってもらう

・片麻痺があっても使える腕で、自分で洋服の脱着衣を行う

など

は、もちろん生活リハビリの一環です。

 

こうした取り組みは、多くの介護施設でもやっているかなと思います。

在宅介護でもやっている方はいたりしますよね。

これが介護の当たり前になってきているというのはホント凄いこと。

 

ただ、介護士としては自立支援の先に何があるかも考えておく必要があります。

そもそもなぜ自立支援を促し、残存機能を維持することに意味があるのか?

 

それは、その先にある自分の欲求を満たすことに繋がるから。

 

アメリカの心理学者マズローの5段階欲求説では、

生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→承認欲求(尊重欲求)→自己実現欲求

と段階的に人間の欲求があるとされています。

 

レベルを維持していれば、上位の欲求も満たすことが出来るんです。

年をとったら生理的欲求だけで我慢しろとか言われたら、イヤですよね。

 

自立支援によって維持できるのは機能だけではなく、

欲求を満たす領域も維持されるんです。

 

そして、

僕らの日常生活は様々な欲求から成り立っている

ということを忘れちゃいけないです。


本記事の冒頭で取り上げた「家事活動の洗濯たたみなど」が、

生活リハビリの一つにもなるのは、その部分に同時にリーチするから。

・日常生活の中での役割

・長年の習慣的行為

・誰かに喜ばれる可能性のある行為

・脳や身体の残存機能を自然と使う

・自分は頑張っているという自己承認

こうした意味がやることで発生します。

 

現場ではつい具体的行為だけに目がいきがちですが、

 

こうした可能性を考えていくと、

生活リハビリから何ができるか?

広がるんじゃないでしょうか。

他にも、もっとやれることはあるはずです。

まとめ

生活リハビリは現在の残存機能を使って、日常生活の中で自然と行うリハビリ

生活歴や習慣、今の日常生活などアセスメント情報は重要

ヒトやモノによる支援を使い分け、適切なバランスで働きかける

・日常生活の様々な欲求を満たす維持に繋がる

 

今回は、

生活リハビリについて実践するときの考え方や意識の向け方

について解説しました。

 

生活リハビリは直接介護にあたる人だからこそ、

気づけるポイントの多い支援の在り方だと思います。

 

現場のどこかで、お役に立てたら幸いです。

記事は以上となります。

読んでいただきありがとうございました。

 

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