【介護士として】老いることを考えさせられるので、今すべきことを考えてみた

文化と思考

どうも、介護福祉士のなおべい(@naobei)です!

 

介護の仕事ではたくさんの高齢者や障がい者の方の出会います。

そこで感じるのは、

「老いるってこういうことか」

という感覚です。

 

単に人間の生理的な部分だけじゃないです。

周囲の人間関係や気持ちの変化など、

関わる利用者さんの老いによってもたらされる事象を間近で見てて、

自分の人生も考えさせられることが結構あるんですよね。

 

医療や介護、障害の分野で携わっている方の中には、

似たような感覚を持っている方も多いんじゃないでしょうか。

 

今回は、老いることをみるようになって、考えるようになったことについて語っていきます。

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老い方は様々だった

介護の仕事をする前は、漠然と

「だんだん身体が動けなくなって、死ぬんだ」

くらいにしか考えていませんでしたが、

実際に様々な高齢者と関わるようになってからは、

それだけじゃない

リアルを知ることになりました。

 

というのも、

みんなそれぞれの人生を歩んできています。

人生に後悔がないと言い切れる人もいれば、

もっと色んなことやればよかったと後悔のある人もいる。

 

家族と幸せな老後を歩んでいる人もいれば、

仲違いをしてしまったり、そもそも結婚しなかったという人もいる。

 

そして、病気や障害などを抱えて、さらに複雑に問題が絡み合っていく。

 

『死』自体はとても、シンプルです。

タイミングは異なりますが、どんな人にも平等に訪れます。

 

けどそこまでの過程は、とても複雑です。

 

結局人生何が正解か?

は人生の晩年のお年寄りの方々を見るとよく分からなくなります。

 

例えば、

若いときに人生の正解は何?って考えると、

「たくさん稼いでお金持ちになること」

「結婚して幸せな家庭を持つこと」

って答える人は多いかもしれません。

 

おそらく間違いではないと思います。

 

しかし、必ずしも

お金を持っている人が幸せな老後になっているか

・家庭を持っている人が幸せな老後になっているか

ぶっちゃけ微妙なところです。

そうじゃない結末も介護士は実際に関わることがあります。

割と多く・・・。

 

ただ、これは僕自身が思うところなのですが、

関わらせていただいた中で共通して感じることは、

「今まで人生でやってきたことは晩年に返ってくる」

というところです。

 

これは良くも悪くもです。

 

ざっくり挙げると

・健康についての努力や習慣

・家族や友人との人間関係構築

・資産運用、貯蓄

・長年の趣味や仕事でやってきたことがあるか

など

人生でやってきたことの多くが自分の糧になっていて、怠ってしまっていたことは全部返ってきているような印象があります。

 

人間関係は特に顕著で、

家族としっかり向き合って良きパートナー、良き親として生きてきた方は、

介護してもらうようになってからも家族に手厚く協力してもらっている様子をよく見ます。

しかし逆に、

家族との信頼関係を省みず生きてきた方は、介護してもらう側になった時にあまり協力を得られない状態になってしまっていることも実際あります。もちろん全員ではないですが。

 

利用者さんのとある方は、

「子どもたちには言わないけど、いつかこんな日(介護を受ける日)が来るんじゃないかと思って、子どもが大きくなってからも子どもたちに大分投資をした」

と言っていたこともありました。

入院や施設入所になっても、毎日のようにお子さんの誰かが面会に来ていた方です。

 

あくまで僕の中での体感ですが、

実際の介護をする側のキーパーソンの方も、

・親に良くしてもらった経験がある方は、介護への意欲が高く

・親からの扱いが酷かった経験がある方は、介護への意欲が低くなる

傾向がある気がします。

そこに認知症の周辺症状や病気や障害、介護の負担度が重なってくるイメージです。

経験のタイミングとしては、断言は出来ませんが介護が必要になる直前までの関係性が重要な気がします。

子供の時は良くなかったけど、大人になってから関係が修復したようなケースにもいくつか関わりましたが、意欲低下してる印象はありませんでした。

 

親子とはいえ、お互い人間です。

恩返ししたい気持ちになるかどうかで、意欲は変わってくるのは仕方ないです。

特に介護はやっている方からすると

「いつ終わりがくるのかが見えないもの」

だからです。

 

それでも

どんなに晩年めちゃくちゃ介護が大変な状況になっても、

周囲が逃げ出さない方は、

それまでの人生でそれだけの事をやはりやってきています。

そうした方の介護をする側のご家族からは、毎回そんなエピソードをお聞きします。

どんな風に老いたいか

今も未来も大事

介護現場で様々な老い方のリアルを目の当たりにして、

じゃ「自分はどんな老い方をしたいか?」

って考える事はよくあります。

 

年を取ってきた時のことを極端に考えると3パターン。

・若いうちに頑張って準備し、高齢になって余裕を持たせる

・若いうちは楽しめるだけ楽しんで、あとは時と運に任せる

・高齢になっても、死ぬまで色々頑張る

昔はこのどれかを選んで、どれかを犠牲にする生き方しか出来ませんでしたが、

現在の日本では全部出来ます。

というか、全部大事です。

 

将来のことも大切ですが、今を犠牲にするのも違うし、

今ばかりで、晩年がきつくなったり、つまらなくなる人生は嫌ですよね。

上手くバランスを取って老いたいところです。

僕が思う最強の老い方

そして人生100年時代であること。

テクノロジーの発達でみんな長生きすることになりますが、

長命であることが返って社会的にリスクにならない、

これからはそういう老い方が求められるはずです。

 

そこで僕が思う最強の老い方は、

・年を取っても障害を負ってもチャレンジ出来る人

・人種や世代を超えて、同じ人間としての付き合いが出来る人

になっていることです。

これができれば、最強です。

 

仕事や子育てなどは引退する時期が来るかもしれませんが、

死ぬまで『人間は現役』でやれます。

 

チャレンジする目的を持つことは、人生にメリハリを持たせてくれます。

たとえば、日中仕事があるからみんな朝早く起きて会社に行ったりしますよね。

けど、毎日なくなったらどうでしょうか。

遅くまで起きてテレビやYouTube、Netflixなど観て、昼頃に起きるなんてことになりませんか?

少なくとも僕はなります笑

 

やるべきことを持つだけで、人間の行動様式は変化します。

仕事へ行くという目的があるおかげで、一日の活動に意味が出来、生活リズムや健康の維持に影響してくるんです。

高齢になってくると、ずっと仕事はもしかしたら出来ないかもしれません。

 

仕事に代わる何か。

好きで愛せるものは何か。

自分で出来る何か。

 

チャレンジ出来るものを探して、実際にやれることが人生を豊かに出来ます。

小さなことでもいいんです。

人種や世代を超えて関わるのも、これからキーポイントだと思っています。

 

それはインターネットの発展も関係しています。

今までは、年を取ったら、家族と同じ地域に住む人としか関わりが持てなかったです。

それは今現在のお年寄り達の多くもそうではあるんですが、

出来るかどうかでいうと、

インターネットを使って様々な世代と関わることが出来るようになっています。

 

今の若い世代は当たり前のように使っていますし、

共通の趣味で友達になったり、あるいは恋人や夫婦関係に発展することだって出てきてきます。

 

あまりまだ広まってるレベルの印象はないですが、

高齢の方でもYouTubeなどでゲームの配信活動したり、SNSで自分の意見を発信して交流する方も出てきています。

スマホを使用するシニア世代が増えている現状を考えると、ネットを使った交流はさらに増えるのは間違いないと思います。

 

そして、

そこで関わる人は皆んな若い世代だったり、自分とは違う価値観だったりします。

そんな中でも上手く自分のアイデンティティを発揮して、人と繋がっていけるのはある種の強みです。

 

しかしこれはリアルな場面でもあります。

実際の介護現場では、気兼ねなく会話するのは

「自分より若い年の職員と話すことの方が多い」

という方も少なくありません。

 

自分がどうなっても、変わらず意識を向けてくれる人の存在がどれだけありがたいか。

 

また、世代が違う人と関わることは

自分の中に新しい考え方や価値を取り込める一方で、

相手に自分なりの経験や価値を提供することも出来ます。

 

こうしたGive&Takeが成立しやすいところも、

多世代で交流することの良いところだと思います。

今のうちに何が出来るか

ではその理想的な老い方の為に、若いうちから何をするか?

 

僕が思うポイントは

食事、睡眠、運動など生活習慣の見直し

既存の人間関係を大切にする

様々な人と関わる際の心理的ハードルの破壊

好きなことや、ずっと続けられる事の探求や開発

です。

生活習慣の見直し

健康維持はめちゃくちゃ大事です。

 

外見がたとえ、「おじいちゃん、おばあちゃん」だとしても

健康的で入られたら、やれる事の幅がぐーーーーんと広がります。

 

耳にタコが出来るくらい色んなところで、聞かれていると思いますが、

その為には、

・食生活

・睡眠

・定期的な運動

の質を上げて、習慣的にするのはホントに大事です。

 

習慣にするのは超大事。

 

細胞の老化を遅らせる意味もありますが、それ以上に

高血圧、認知症、糖尿病、骨そしょう症などの予防にも有効だからです。

 

生活習慣からくる病気がこわいのは、

二次リスク、三次リスクとして他の病気を併発する恐れがあるところです。

それらを防ぐ事は、人生にとってどれだけ大きいことでしょうか?

・健康的に今まで通り暮らせる

・病院へ行ったり、薬を飲んだりせずに済む

・病気を理由に色んなことを諦めない

・人の手をかりなくて済む

パッと挙げても、こんなメリットがあります。

 

生活習慣に関する努力は、目に見えないので実感しにくいですが、

必ず自分に返ってきます。

既存の人間関係を大切にする

家族や友人がいるのであれば、大切にしましょう。

 

人生の分岐点で、離れたりくっついたりは当然出てくると思いますが、

晩年でも関係が続く人たちは、縁が濃い方の場合がほとんどです。

 

何かあったときに助けたり、助けられたり出来るのは、

人間だからこそ。

 

高齢になるとリスクと隣り合わせの生活にもなりがちなので、

人との繋がりを濃く持っておくのは大切です。

様々な人と繋がる心理的ハードルの破壊

違う世代の人と繋がることについて上記で触れましたが、

その前段階として、

「様々な人と繋がる心理的ハードルの破壊」

は若いうちからやっておいた方がいいと思います。

 

既存の人間関係は大事ですが、これから高齢になって普段あったり交流することになる人は、段々と変化します。

 

そこで、違う世代や新しい価値観を受け入れる土壌を心理的に持っていないと、

なかなか新しい人との繋がりが持てず、結果自分がやりたいことや解決したいことへ取り組むのが遅れてしまったりします。

気がついた人が出た時には、「手遅れ」という状況にもなりかねません。

 

では、どうするか?

というと、今のうちに違う世代や価値観の人と交流をして慣れておくことです。

どういった関係性を持てばいいか学習しておくんです。

 

すぐ出来ることだと、

例えば

「子どもの話や考えに真剣に耳を傾ける」など

つい否定したくもなっても、相手が言っている正しさの意味を考えると必ずしも間違ってはおらず、自分が受け入れるかどうかの問題もあったりします。

自分の意見を通すことも、人として大切な価値観ではありますが、

自分の方が年をとって、上の立場に慣れてしまっていると中々受け入れにくくなっていきます。

上位者であることに慣れてしまうんですよね。

そこをぶっ壊しましょう。

 

そうしたことが出来れば、人との繋がりの幅と深さはぐっと広がります。

好きなことや、ずっと続けられる事の探求や開発

ちょっと残酷な話かもしれませんが、

自分の人生で達成できることは限界があります。それは紛れもなくリアルです。

 

だからといって無駄はないし、他者と比較して意気消沈してしまって動けなくなるのはそれこそ勿体無い。

 

あたりまえですが、

どんなに友人が多い人でも、

自分自身以上に自分と向き合う時間が多い人はいません。

人間として生きて、考えたり、動いたりすることが出来るのは『自分自身』なのですから。

 

となれば、

最後まで付き合っていく自分自身を好きでいる

ことは、人生を明るくしてくれるポイントにもなります。

 

死ぬまでそうあり続けるにはどうすればいいか?

というと、

シンプルに自分の気持ちに正直になって、

「好きなこと、やりたいことを見つけてやる」

です。

 

それが能動的に生きる意味になります。

 

そして終わりがなく、続けられることがいいです。

一種の中毒みたいなものですが、健康に害なく、人に迷惑がかからないものなら何だっていいです。

色々手を出してみて、飽きたら別のものに手を出すスタイルでもいいと思います。

 

やっていくうちにどんどん楽しくなり、いつの間にか自分のポジティブな気持ち発生装置みたいになっていきます。

「趣味は一生の友」

と有名な誰かが言っていましたが、まさしくそうです。

好きなものを何か見つけて、やってみましょう。

まとめ

・人生でやってきたことは、晩年に返ってくる

・年を取っても障害を負っても何度もチャレンジ出来る人、人種や世代を超えて同じ人間として関わりがもてる人は『最強』

・そのために今できることをやってみよう

ちょっと書くつもりが、長々と書いてしまいましたが、

僕自身介護の現場で関わりを持たせていただいている中で、考えるようになったことです。

 

自分自身がどういう年寄りになりたいか

を常に考えてしまっているので、

今回の記事でまとめてみました。

 

以上となります。

どこか参考になれていれば、幸いです。

読んでいただきありがとうございました。


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