高齢になっても諦めないで過ごせる考え方【出来ることを要素分解する】

介護の技術

どうも、介護福祉士のなおべい(@naobei)です!

人間誰しもが老いを経験することになります。

だんだんと身体が動かない。

頭が鈍くなって、物忘れも出てくる。

 

「年を取ったら、もうダメだわ。きっと。」

なんて思っている人もいるんじゃないでしょうか?

 

僕自身は介護の仕事をしていて

「諦めて意欲がない人をなんとかしたいなぁ〜」

という場面に何度も遭遇し、チャレンジをしてきました。

 

そこで得た経験から、

どうしたら年を取っても諦めないで前向きに生きていけるか

というテーマで解説してみたいと思います。

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構造化してみる

構造化ってなに?

いきなり構造化って聞くと、

「なんだ、それ?なんか難しそう・・」

と思われる方もいるかもしれません。

 

構造化とは、

物事の全体を定義した上で、そこに含まれる要素とその関係性を整理すること

をいいます。

ざっくりいうと

物事を要素分解して、より分かりやすくする。

ということですね。

 

たとえば、

『料理をする』という動作があります。

そこに含まれる要素を分解してみるとどうでしょうか?

・台所に立つ

・材料を調達する

・冷蔵庫から材料を選ぶ

・調味料の加減をみる

・調理器具を適材適所で使う

など

他にも出てきそうですが、これくらいで・・・。

 

そして、

それぞれどんな能力が必要かと考えてみると、

さらに細かくなります。

 

たとえば、

・台所に立つことは、台所の場所を認識して、立位が出来る機能を持っている必要がある。

・材料を調達するには、調理予定のメニューを予め考えたり、実際にスーパーなどに行き、材料を選んで、金銭の支払いができる能力が必要になります。

料理をする
➡︎ ① 台所に立つ ➡︎  台所の場所の認識
                              ➡︎  立位機能の保持
➡︎ ②材料を調達する ➡︎   調理予定のメニュー計画
                                  ➡︎  スーパーに行く 
            ➡︎ 金銭の支払いが出来る
            ➡︎ 買った商品を持って帰れる

これが構造化です。

構造化する意味

料理する

を構造化で分かりやすくすると、

・何が必要な要素なのか

物事が起きる原因となっているものは何か

・どんな関係で繋がっているのか

が把握できるようになります。

 

そして要素を含んだ全体を把握することで、

問題が起きた時にどう対処すればよいか?

が考えられるようになります。

 

たとえば上記の事例で、

料理をする人の足が不自由である問題があったらどうでしょうか?

 

足が不自由な人が料理するには、

・台所に立つ

・材料の調達

は厳しいです。

特に材料の調達は料理をする上で必須事項です。

 

では、どうするか?というと、

「台所へ立たなくてもいいし、材料の調達が簡単にできる手段を取り入れる」

というのが一つの解決ゴールになりそうです。

 

具体的には、

・部屋の食器や調理器具を、基本的に座る高さに合わせて環境整備する

・Amazonで調味料や材料の購入を出来るようになる

・ヘルパーや家事代行サービスに調達依頼する

など

あとは、その人の経済状況や身体状況、持っている価値観などにもよって、

解決手段が変わってきます。

 

足が悪くても筋力保持のために、立つきっかけとして、台所での調理を目的とする場合は、

・歩行器を使う

・手すりや椅子を近くに整備する

などが解決手段となってきます。

 

構造化する意味は、

分かりやすくなった要素に色んな視点から問題解決手段を探る

ということにあります。

 

色んな視点で考える際は、オズボーンのチェックリストで考えてみるとさらにいいです。

構造化して出来ることを探す

出来ることに目を向ける

老いてくると、

今まで出来ていたことが次第に出来なくなっていきます。

そんな時がいつか来ることを考えると

コワイですし、もしなったら人生諦めてしまいたくもなるかもしれません。

 

そこで大事になるのが、

出来ることに目を向けること

です。

 

『料理をする』

一つとっても色々なイメージがあります。

ある人にとっては、絶対に火を使って、細かく切って、皿に丁寧に盛り付けをしないと料理とは言えないと考えている人もいれば、

カップラーメンにお湯を入れ、具材をちょっとトッピングするのも料理と捉える人もいます。

 

僕が、ここでお伝えしたいのは、

完璧を求めすぎると諦めることに繋がる

ということです。

 

もし身体が不自由で動かせなくなったら、とても火や包丁を使うのは危険だし、盛り付けも上手にはいかないかもしれない。

 

料理する=火を使う、包丁を使う、皿に丁寧に盛り付ける

を全体の集合にしてしまうと、途端に難易度がバカ上がりしてしまいます。

そのままやらなくちゃいけない、では挫折します。

以前は当たり前のように余裕で出来ていたことだけに、メンタルへのダメージも半端ないからです。

 

それよりも

全て完璧じゃなくても、料理の中で得ようととしている目的が達成できれば、OKじゃないか

というスタンスを持ってみる。

 

『料理をする』の中で、出来ることの要素を抽出してみると

何かしら価値のある目的はあるんじゃないでしょうか。

・満足感

・行動意欲

・心身の機能維持

に繋がれば、「料理すること自体の価値」は出てくるはずです。

 

反対に、完璧を求めすぎて

「やらない」

という選択肢をとってもしまうと、

こうした価値を得るチャンスがなくなります。

出来ることを持ち続ける

僕自身さまざまな高齢者や障害者を見てきて思うんですが、

 

年を取っても障害があっても、

好きで出来ることを持っている人は

どこか前向きな気持ちを持っています。

 

部分的なものでもいいんです。

 

好きなことを諦めない秘訣は、

部分的でも出来ることを持ち続けることだと思います。

 

その為には、

「そもそも現状の等身大の自分で、できる目的が達成できれば十分価値はある」

というところを自分で認めるのも大切です。

 

それぞれ皆んな、

自分の好きなことはありますよね。

・ゲーム

・スポーツ

・ショッピング

・旅行

など

 

その自分の好きなことで、

年を取っても出来る部分ってどこかないかな?

って考えてみてください。

 

たとえば、旅行が好きな方だったら、

もし歩けなくなったら一人で行けるとこが限られてきます。

 

好きで旅行へ行く理由の一つに、

・普段とは違う景色をみて楽しむこと

があるなら、

その目的達成手段として

・Google Earth VRをやってみる

というのは、足が不自由になっても出来る楽しみに変わるかもしれません。

友人とオンラインでつないでVR画面を同期して、街を移動すれば友人と話しながら本当に旅行している雰囲気も楽しめる可能性もあります。

 

これを反対に、完璧な旅行を求め、

現地に旅行に行かないと旅行じゃないと決めつけてしまうと、

・得られる経験

・得られる楽しみ

のチャンスを逃してしまいます。

やらずに、

「もう人生楽しくないな」

と思ってしまったりもするかもしれません。

 

自分の中で

・ずっと続けられる部分

・ずっと楽しめられる部分

が分かってくると、どこか自分の人生の中で支えのようなものにもなってきます。

 

そして、

「それが何か他の楽しみ方が出来ないか。」

「今の状態でも楽しめる方法はないか。」

を、

そのときの等身大の自分自身で出来ることをピンポイントでも持っていれば、

何もせずに老いるのを待つ状態からは少なくとも脱却できるはずです。

 

たとえ他人から小さなことと言われようと、

自分で出来ることがあれば、

生きる甲斐になります。

まとめ

・物事を要素分解して、分かりやすくする事を構造化という。

・構造化をする意味は問題解決しやすくすること。

・要素分解して出来る部分を見つけよう。

・出来ることを持ち続け、生き甲斐にする。

出来ることが段々と少なくなっていくことは、悲しいことですが、

完全に身体や脳が動かなくなるまで時間はあると思います。

 

その時間は人それぞれですが、

「まだ、やれることはあるはず!」

と思って最後まで生きてほしいし、

自分自身もそうありたいと願っています。

 

若くても何かの事故や病気、障害で能力を奪われてしまうことはあります。

それでもめげないで自分の人生と戦っている人達もいます。

 

けど、大抵の人は

「俺は(わたしは)、そんな強くない」

気持ちの人の方が多いんじゃないかと思います。

それでも、

たとえどんな小さなことでも出来ることを持ち続けることは、

価値があります。

 

今回の記事では、

「好きなことややりたいことを要素分解して、そこでピンポイントでも生き甲斐を見つける」

一つの方法を提案しました。

どこかでお役に立てたら幸いです。

記事を読んでいただきありがとうございます。

コメント

  1. […] […]

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