【つい怒っちゃう人に読んで欲しい】怒らないで済む認知症の方との付き合い方

介護の技術

どうも!介護福祉士のなおべい(@naobei)です!

家族やあるいは利用者で認知症の方と関わる上で、こんなことはありませんか?

・同じ話を何度もして、説明してるのに言ったことを覚えてくれない。聞いてくれない。

・以前は穏やかだったのに暴言や暴力を振るってくる。

・こっちは疲れているのに、徘徊や物を散らかしてしまったり落ち着いて休めない。仕事が出来ない。

こうした事が続くと、大抵の人はイライラしてきてしまいますよね。

怒ってしまう人=器が小さい人みたいに言う人もいたりしますが、

そんな事はないです。

というか、実際関わるようになったら現実はそんな甘くないですよね。

それだけ認知症の方と関わっていく事は大変だと思います。

今回はそうした事を実際はあるものの、

「どうやったら怒らないで、認知症のある家族や利用者と関わり続けていけるようになるのか」

についてお話しをしていきます。

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怒っちゃまずい?

僕自身は、施設やデイサービスでの経験の中で多くの認知症の利用者と関わってきました。

そこでぶっちゃけさせていただくと、イライラしてしまった事は何度もあります。

ただ、認知症の方へ怒ってしまったことは一度もありませんし、引きづりません。

僕はここが大事だと考えています。

 

認知症の方と健常者とのやりとりの中では、認識や世界観のズレは確実にあり、そこを受け止めて埋めようにもやりとりが続く中で、イライラしてきてしまう事はあります。

そこに綺麗事はないです。

 

仮に「イライラする」と「怒る」の違いを、

イライラする→自分の中で怒りや不満の気持ちがある状況

怒る→怒りや不満などの気持ちが暴言や暴力などの形となって外に出てしまう状況

と定義すると、

イライラする範囲であれば問題になりませんが、怒って暴力的に外へ発散してしまうと虐待などの問題となってしまいます。

そして怒ってしまった後の罪悪感や周囲の反応も後からやってきます。

そういった意味で「イライラする」と「怒る」は、感情的には同一でも事後の結果は雲泥の差があります。

 

では、どうしたら怒るレベルへいかなくて済むようになるのでしょうか?

怒らないようにする工夫

距離を取る、離れる時間を作る

怒らないようにする一番の方法は、『とにかく距離を取る』という事です。

言い換えると離れる時間を作るとも言えます。

 

悪くいえば、逃げるいう事にもなってしまうかもしれませんが、暴言や暴力が出てしまうのであれば、その対象となる認知症の方とは一旦距離を取る方が1000倍良いです。

 

ご家族の方であれば、

・介護サービスを利用し、自分だけで介護を頑張らない

・ショートステイやデイサービスなどを利用し、ちょっとした時間でも関わらないで済む方法をとってみる

介護関係者であれば、

・別の職員に関わる担当を変えてもらう

・職場を変える

など。

関わらないで済むようになると、自分の中での気持ちが落ち着き、怒っていた問題が解決したり些末な問題であったと考えるようになったりしてくる事もあります。

 

ただ距離をとったら、どうして怒っていたのかは改めて考えてみてほしいです。

例えば、

「介護職員が言う事を聞いてくれない利用者に対して口調が強くなってしまう事は、スケジュール通りにいかないと皮肉を言ってくる他の職員がいる気がするから。」

という場合もあります。

 

人間が怒ってしまう原因は、認知症の方の異常と思える行為に対してだけじゃなく、周囲の目や自分の体調や問題なども重なって原因となる事も少なくないです。

他の問題原因が解決すると、例え再び同じ認知症の方と関わる事があっても落ちついて関わる事が出来るようにもなる事があります。

単に逃げるのではない、戦略的な撤退だと思いましょう。

 

落ち着いたら、また向き合ってもいいのですから。

異常な事と決めつけず受け入れる

とはいえ自分しか介護をする人がいない、人手不足で関わるのをやめる事が出来ないという人もいると思います。

そういった場合は、まずは受け入れるという事を意識してみるといいと思います。

では、受け入れるといっても何を受け入れれば良いのか?

 

相手があくまで自分に関係のある一人の人間であるという事です。

 

は??何キレイゴトみたいな事言ってんだ?

と思われるかもしれませんが、認知症の方を『いち人間』として捉えるのは結構大事です。認知症の方に関わるあなたにとって大事な事になります。

 

よくテクニックとして、

「あの人は認知症だからしょうがない」

「仕事や長く付き合って行く以上そう捉えて方がいい」

って、いう人いませんか?

 

これは病気の人や認知症の人と関わる際はあくまで病人や認知症の人と捉えようという事などですが、正直僕はあまりこうした思考法はよくないと思っています。

理由はあります。

なぜなら自分と相手との間にある「この人は認知症なんだ」というある種の壁を作ってしまう事にもなるからです。

そこから、深く関わってケアしようにも「認知症の人だから」と捉えていることが邪魔をして、ずっと関わり続けていてもマイナスのイメージを拭うのが難しくなります。

 

「認知症の人だから」と決めて関わった瞬間から、

・相手を認知症になってしまった残念な人

・そんな残念な人を介護しなくちゃいけない自分は哀れな人

のように次第に思えてきて、

介護する側の自己評価をもどんどん下げてしまい、次第にストレスへも繋がっていきます。

これが発生してしまうのがヤバイところです。

ぶっちゃけ僕自身も経験しましたし、関わったご家族や介護士にもこうしたケースがありました。

 

 

ではどうすれば良いか?

相手を『いち人間』として捉える、です。

 

ちょっと理解がしづらいかもしれませんが、

おかしいところはあっても普通に人間であると捉える事です。

「ちょっとこの人は頭がボケたり、身体がバカになってしまっているな〜」くらいに考えて、同じ人間として一緒に笑い話のネタにするくらいに考えて頂ければちょうどいいです。

 

異常な事→怒りや焦りではなく、

異常な事→笑いや面白いこと

として捉えられるようになるとイライラの発散にも繋がります

逆に過剰に反応し過ぎて、この人と関わるのイヤだな〜と思うようなってしまってはストレスが溜まってきて、イライラ→怒りへ発展してしまいます。

肩の力を抜いてみましょう。

自分の中に判断基準を持つ

6秒間イライラする事を我慢して怒りの沸点を抑えるアンガーマネジメントという心理的な技術もありますが、気持ちで怒らないようにもっていくという事は実際できると思います。

その為の条件として、「自分の中に怒りに対しての判断基準を持つ」という事です。

さらにいうとそうなれる環境に身をおくと尚良いと思います。

 

よく介護施設で虐待事件あったというニュースを目にする事が最近多いと思います。

しかし、

加害者の職員が介護主任や施設長だったなどのケースはほぼ見ないと思いませんか?

もちろん職員人数に対し、役職持ちの職員は統計的に少なくなるから当然とも考えられますが、実際に業務量や関わる深さを考えるとストレス的に負荷が大きく関わっていくのは現場のリーダークラスの職員です。

にも関わらず、

リーダー職員が虐待事件に起こす事は少な過ぎる気がしませんか。

 

ではリーダー職員が虐待を起こしにくいのはなぜか?

個人的な意見ですが、僕はリーダーとしての立場や役割からの覚悟に近いプライドができるからだと思います。 

 

僕自身もデイサービスの施設長をやっていたので考えてみると、

「もし認知症の利用者に怒ってしまったら、

・関わり方について他の介護職員へ示しがつかなくなる。

・利用者が元気でいられる環境を作る為に頑張っているのに、努力が無駄にしてしまう。

・一度怒ってしまったら、歯止めが効かなくなってしまうのではないか。

など。」

こんな感じのことを、

現場リーダーをやる上でずっと思っていました。

 

だから、絶対怒らないと決めています。

これを破るのであれば介護の仕事を辞めようと決めています。

 

もし、虐待防止について研修講師などをしている人が虐待なのでは?と思える行為をしていたらどうでしょうか。とても信用なんかしていられないですよね。

もちろん他の介護職員さんも似たような思いは多分あると思いますが、おそらく現場のリーダークラスの方はより覚悟に近い強い判断基準も持って考えている方が多いのではないでしょうか。

立場上、そこまで考えていかないと続けるにはキツイというのもあるのかもしれませんが。

自分の中に判断基準を持つ事で、迷いがなくなるので、イライラした際にさらに色々考えてストレスになるという事は減ります。

まとめ

認知症の方へ怒らないようにするには、

・単なる逃げと思わず、怒りが出る前に相手との距離をとるのも大切。

・どうして怒りの感情が出てきたのかを分析し、他の部分の問題にも目を向けてみる。

・過剰に異常だと考えず、ひとりの人間として受け入れてみる。

・自分の中に強めの判断基準を作って、関わる。

最近、「なんで、なおべいさんは全然怒らないの?」と言われた事から、「そういえば、やばい周辺症状の人とかに対しても自分はないな。」と思い、振り返ってみて今回のテーマを書いてみました。

 

認知症の方と関わるのは単に慣れではなく、思考のプロセスはあると思うので参考にしてみてください。

 

今回は以上となります。

読んでいただきありがとうございました。

コメント

  1. […] […]

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