自分の気持ちをちゃんと伝えられる介護職でいるには?【アサーション】

介護の技術

介護職としてやって当たり前!みたいなところで悩んでる介護士さんって結構いる気がしています。

例えば、

・利用者から罵倒された。→傾聴して対応して当たり前。

・男性のお年寄りにセクハラされた。→大目にみて我慢して当たり前。

・腰が痛いけど入浴をやるしかない。→担当になっていればやるのが当たり前。

など。

これらって、

当たり前ではないですよ!

 

ぶっちゃけ、

遠慮したり、イライラを抑えて我慢してるだったりしませんか?

 

とは言え、

・利用者から罵倒された。→怒鳴り返す!

・男性のお年寄りにセクハラされた。→怒鳴り返し、法的制裁をとる!

・腰が痛いけど入浴をやるしかない。→入浴を完全放棄し、仕事をバックレる!

ここまでやっちゃうのは

やり過ぎっす!

 

まぁ、やられた程度にもよるかもしれませんが。

 

じゃあ、「どうするのか?」

結論を先に言うと、

相手の気持ちも考えるけど、

自分の気持ちも上手く伝えられるようになる事

で解決が見えてきます。

 

アサーションと呼ばれるコミュニケーション技法です。

 

今回は、自分の気持ちを伝えられるようになる方法ついて解説していきます。

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自分の気持ちの伝え方

自分の気持ちの分析が出来ている

自分の事って理解しているつもりでも意外と分からないことってありませんか?

 
たとえば

自分は何が好きで、何が嫌いか?

自分は何をされると嬉しくて、何をされると嫌か?

 

この辺りまでは割りと考える事はあっても、


嫌いな理由は何か?好きな理由は何か?

まで考えると若干面倒くさかったりしますよねぇ。

 

ですが、

これらを噛み砕いて分析してみると、自分の気持ちが分かっていきます。

「なぜ?」と自分に問うと、

気持ちの重要度が確認できて、

今直面している事は

「我慢したほうが良いのか」

「相手に発信したほうが良いのか」

いずれにせよ覚悟を持って決められるようになります。

 

例えば、

介護現場で「利用者への介護の仕方が悪い!」と上司から怒られた場合を想像してみてください。

 

「自分より偉い人に怒られた。自分は仕事が出来ないんだ」と落ち込んだり

「これだけ頑張ってるのに、認めてくれない!ふざけるな!」と反発したり、

「利用者さんの前で言わなくてもいいじゃないか!」という悲しみ

の感情が出てきませんか?

 

こうした感情の元をたどってみて、

「なんで自分はそう思うんだろ?」

と客観的に考えてみると、

・「自分を認めて欲しい!」という承認欲求がある

・怒られる準備が出来ていない状況では素直に受け止める事が出来ない

・「人前で怒られるのは恥ずかしい」マイナスな事柄で注目を浴びたくない

などそれぞれの理由で自分に気づきます。

 

まず、この気持ちの源泉を知るのは大切です。

このように自分の気持ちで重要だったり、変えるのが難しいところは何かを把握すると

気持ちを伝えるにしても、伝えないにしても、

気持ちという目に見えない概念を意識して考えられるようになります。

相手を理解しようとする姿勢がもつ

自分よがりの事だけ伝えても人間関係は上手くいきませんよね。

やっぱり相手あっての人間関係なので、

相手のことを理解しようとする姿勢は大事です。

相手の状況や立場、性別、興味や関心など色々・・・。

 

相手の立場になって考える視点を持つと、

・自分だけの怒りや悲しみの感情がおさまる

・自論の欠陥点にも早く気づける

・相手に譲歩することも出来る気持ちになれる

などから、

感情的に自分の気持ちを吐き出すのをやめようとすることにも繋がったりするので、

人間関係がそのままぶっ壊れるのを防ぐことができたりもします。

正直に自分の気持ちを伝えるのを混ぜる

相手の立場や状況を考えていくのは大切です。

しかし、ずっと自分の気持ちを抑え続けることになってしまうのもそれはそれで良くないです。

 

相手の気持ちを汲んだ上で、どう自分の気持ちを織り交ぜて伝えていくかを考えるのも必要なことだからです。

 

そこで、相手に気持ちを伝える際に大事な事は、

正直に自分の考え気持ちを伝える

です。

 

職業や関係性などで全て正直になるというのは難しいこともあるかもしれませんが、

自分の感情に蓋をし過ぎているのも人間関係を構築する上で弊害が出てきます。

 

相手の気持ちを汲んで話を合わそうとすると、

段々と自分の気持ちとは違う方向に誤解されてしまうことってあったりしませんか?

あるいは、誤解され自分のストレスになったり。

 

全面的に正直になるのは難しくても、

部分的に自分を出そうとするだけでも効果はあります。

上手く伝える例

例えば、

「入浴介助の担当だったが、予定の当日に腰を痛めてしまった」

というケースがあったとします。

 

【よくない例】

「腰痛いから入浴外させるのが当然だろ。」という態度を出す。

→担当から外れても、周囲の評価や人間関係を壊すかも。

「腰痛くても、人が足りないし、黙って頑張ろう。」

→もしぎっくり腰になったらマジで後悔します。

 

 

じゃどうすれば?

 

①自分の気持ちを分析する

→腰が痛くて、今日無理に介助をすれば今後の仕事や家事にも支障をきたす可能性がある。入浴介助で移乗介助などは出来ないが他の部分では役に立つ気はある。ちょっと心配してくれると嬉しい。

②事業所の状況、リーダーの状況など確認しつつ、理解しようとする。

→人手不足だが、入浴しなくてはいけない人が何名かいる。ベテランの自分が入浴介助をしないと危ない人もいる。周りの人も忙しそうで代わってもらえそうにない。代われそうなのは最近入った新人の人ぐらい。

③どうすべきかの妥協点の相談で、正直な自分の気持ちも織り交ぜて伝える。

→リーダーと相談。まず、仕事へのやる気はあるのだが、腰が激痛で今後の介助にも響きそうな状態である事を伝える。その上で、「他職員への担当変更」「利用者の入浴予定や入浴方法の変更」などが可能かどうか提案する。リーダーからの返答に対し、感情的にならずも、譲歩出来ない点は伝え、妥協点を決める。

⬇︎

結果としてこのケースならこんな風になるかも・・・。

・新人の人が介助経験豊富で既に数名入浴介助も経験済みな事が分かり、介助は代わってもらえた。

・自分は衣服の着脱や誘導、当日可能な入浴方法の声かけフォローなどに担当変更。

・リーダーの調整も厳しかったので、どうしてもベテランでないと厳しい方は別日に入浴予定を変更。各所連絡も行い、周囲の職員から「ありがとう」と言われた。

 

入浴介助の担当から外れる事が出来、結果としてお互いに感謝しあう関係を他の職員と作れた。

 

上記はあくまで例ですが、

上手く気持ちを伝えられると、状況を改善できるだけでなく、

お互いにとってもメリットがあります。

話し合いでお互いが納得できる状態になれば、その後のモチベーションは落とさずに行動も出来るのではないでしょうか。


まとめ

上手く自分の気持ちを伝えるポイントは、

①自分の気持ちの分析ができている

②相手を理解しようとする姿勢がもてる

③正直に自分の気持ちを伝えるのを混ぜる

 

相手と意見を交わしたり、妥協点を譲ったり譲られたりしていくのは面倒ですが、納得のいく結論が出れば、どっちよりの話になっても覚悟が決まりストレスを感じにくくなれます。

このように、自他共に尊重した上で自己表現し合う事を『アサーション』といいます。

アサーションが出来るようになると、人間関係がかなり楽になるので参考にしてみてください。

 

今回の記事は、以上となります。

読んでいただきありがとうございました。

どこかでお役に立てたら幸いです。

【参考文献】よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方/平木典子

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