介護職をしてきて、リーダーを任されるようになって、
「やる気はマンマン!けど、業務が思っていたより多いし、責任のプレッシャーもある!どーすんのこれ!?」ってなっていませんか?
介護は直接命と関わる現場でもあるので、独特の責任を感じる方もいらっしゃると思います。
私自身、デイの管理者になったときは、バタバタした中で気づかず失敗してしまった事もたくさんありました。
今回はその中で得た失敗経験から抽出して、
・はじめて介護のリーダーになった方
・これから介護のリーダーになろうと思っている方
・既に介護リーダーになっているけど、上手くいかない原因を探している方
向けに、介護現場でリーダーポジションになった時に
忘れがちな気をつけるべきポイントを説明します!
自己管理について
リーダーとなる人は、チームの中心となる柱です。
「めちゃめちゃ良いケアをできるように頑張ろう!」
「みんなを引っ張っていこう!」
無理し過ぎていないですか?無理が予定されていませんか?
その前提として、自己管理は大丈夫でしょうか?
体調面に気をつけよう!
体調面を崩す要因としては、
・重介助者の身体介護などによる腰痛
・人手不足による夜勤回数の増加、出勤回数の増加
・現場業務のフォローで管理業務への負担
・その上研修や会議もたくさん
など。
ありがちなところ挙げてみましたが、要因は様々です。さすがに体調崩すまでやると結局休まざるを得なくなり、むしろ関係者に大きな迷惑を掛けてしまうケースも出てきてしまいますよね。
一方で上司や先輩がガツガツやってたから自分も頑張る!という方もいらっしゃる方もいるかもしれません。真似から入ることは悪いことじゃないですが、後先考えずに思考停止で行うのは注意が必要です。
メンタル面に気をつけよう!
メンタル面を崩す要因としては、
・職員間の人間関係の衝突や第三者として介入せざるを得ない立場から
・自分の指示で職員が動いてくれない
・事故や緊急時など何かあった場合の責任や対応
・残業や夜勤などによる疲れ
など。
こちらも要因は様々ですね。重なってくると、
・頑張ろうと思っているのにモチベーションが上がらない
・リーダーになったらもっとよくしようと思っていたのに、気が乗らない
・鬱だ、もう仕事行きたくない。
などにも繋がっていきます。
そして覚えておいてほしいのは、
メンタル(心)と身体は相互作用が強くあるというところです。
心と身体は相互に影響を及ぼします。精神的要因が様々な身体の病気の発症や悪化の原因になることもあれば、身体の病気が患者の思考や気分に影響を与えることもあります。
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具体的対策
メンタル面と体調面の維持はリーダー的立場になると余計に重要性を感じます。
では具体的にはどのような対策をとればよいでしょうか?
人によって様々な部分はもちろんありますが、
一つの手段としてオススメは、メンタル面と体調面どちらにも効果がある、
『自分の限度の自己分析をメモなどでアウトプットして徹底的にやってみる』
というところです。
どんな効果があるのかというと、
体調不良やストレスは、自分自身で物事の限度となるライン(折り合い)がついていないと、どこまで行動していいかが分かりません。自己分析はこの解決になります。
仕事における自己分析のポイント
・現在の状況の原因は、なぜか?
・自分は何の業務をしている時が好きと感じるか、イヤと感じるか?
・自分にとって何の為に(何のメリットがあって)業務を行なっているのか?
・自分はどれくらい業務にコストをかけられるか?
↓
改善の為の行動に移す!
例えば、ここのところ体調崩しているというケースで言えば、
①連勤や夜勤が続いている。仕事の拘束時間が長い。
②利用者と関わっている時間は好きだが、事務業務は書き方が分からず時間がかかってイヤ。
③将来マネジメントや事務職の仕事もできるようになりたい。
④睡眠は6時間は取れないと続かない。事務は集中できる環境じゃないとできない。
などをメモ書き出していきます。
↓
そして自分で改善できそうところから行動してみる。
睡眠についてなら、「必要睡眠時間が6時間なら、最低6時間は寝れるよう調整しなくてはいけない。それならば、〇〇は必要で、□□は省こうか。」など合理的に解決する為の方法を考えるきっかけになります。また、実際に数日間、睡眠時間を5時間、6時間、7時間など実践してみて自分の疲れ具合をメモっておくととより、把握できたりします。
こうした分析をしていった結果、自分の負荷の限界が把握でき、体調やメンタルに支障が出るかどうかのラインを自己認識できます。
あくまで自分の限界は他者から決められるものではなく、個人によって異なるものです。
ただ意識していないと気づかず限界を迎えていたという事にもなり得ます。
物事に折り合いをつけるには、まず自分の事を知っておきましょう!
自己管理は、自分を知る習慣がないとなかなか難しいものです。
さらに自己分析を深掘りする方法としてオススメなのが、前田裕二さん著「メモの魔力」で分かりやすく説明されているので、もし興味のある方は読んでみてはいかがでしょう!
リーダーが周囲に与える影響
リーダーは、そのチームの未来を決めてしまう可能性があるほど影響力が強いです。
自身が周囲にどれくらい影響力を与える事になるのかを認識しましょう。
モチベーションを例に説明します。
プラスの影響
『リーダーのモチベーションが高い場合』
①リーダーの発する言葉や行動が前向き。
↓
②感動した職員の気持ちが仕事に対し前向きになり、意欲向上。段々と増える。
↓
③利用者へのケアや環境整備へモチベーションアップ。
↓
④サービスの質が上がっていき、維持される。
↓
⑤明るい雰囲気になり、職員間の連携もよくなり、パフォーマンス向上。
↓
⑥その他関係者から信用を生み、広がる。
↓
⑦地域で人気のある施設へ
マイナスの影響
『リーダーのモチベーションが低い場合』
①リーダーの発す言葉がネガティヴな愚痴、行動が怠慢など。
↓
②職員も愚痴が多くなり、意欲低下。段々と増える。
↓
③事故やヒヤリハット、苦情の発生が増加。さらに雰囲気悪くなる。
↓
④退職希望者が出てくる。
↓
⑤サービスを維持できない上、関係者からの信用もなくなっていく。
↓
⑥事業運営不可の為、廃止。
職員に影響していく意味
職員は常にリーダーを見ています。リーダーが愚痴や弱気な発言、怠慢、非常識な行動を度々他の職員に見せていたら、チームの士気は下がります。上記のプラスの影響とマイナスの影響は実際にある事です。
マイナスの影響が強くなるとリーダーへの信頼はなくなり、
- 業務遂行能力の低下
- サービスの質の低下
- 各自バラバラな行動をとっていく
など。事業所、施設内に発生していきます。
仕事をしていて気持ちがネガティブになる事は、誰でも必ずあると思います。
しかし、チーム内であまりに出し過ぎは注意しましょう。基本的にはネガティブな発言などは出さないほういいと思います。
「気づいてほしい」「察してほしい」などと思っていても、部下の立場からは分からず、「ダメだこのリーダー」となりがちです。もし愚痴をこぼすなら自分と対等な立場以上の人と話すべきで、そうでないと解決の糸口はつかめずそのままになりやすいです。
例えば、雇用に対して不満があるなら部下に愚痴るのではなく、人事や上司に伝える方が本質的な解決に近づきます。
逆にポジティブな発言や行動を出せるリーダーには、応援してくれる職員も出てきます。自分自身も続けているうちに、前向きでいられる自分が好きになり、楽しくもなっていくのではないでしょうか。
まとめ
リーダーをやっていく上で注意するポイントは、
・自己管理は大切。ただし、自分をよく知った上で行おう!
・ネガティブな発言は控えめに、ポジティブな言葉や行動で引っ張っていこう!
仕事をしているうちに途中で忘れて陥りやすい点を今回上げました。
お役に立てたら幸いです。
読んで頂きありがとうございました。
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