【介護職を志望している学生さんへ】就職活動で介護業界はアリか?それともナシか?【新卒で介護を選んだ僕の経験から】

介護職の働き方
就活 介護 学生

卒業したら、学生にとって初めての社会人生活。失敗したくないと進路を悩ませている方も多いと思います。

そんな中、色んな職種や企業を見ている中で福祉の仕事も視野に入れていて、

「介護業界を選ぼうと思っているけど大丈夫なのかな?」

「子供が介護の仕事をしようとしているけど心配だなぁ。」

そんな不安はありませんか?

 

SNSやブログサイトを見ているとネガティブな話が多かったり、

企業のPRサイトみてもなんか噓っぽく感じてしまったり、

「介護業界に就職するのって実際どーなの?」という疑問に、

実際に大学卒業後に新卒で介護業界に入った僕自身の経験と業界動向をふまえ、

学生が新卒の就職活動で介護業界を選ぶことについての価値について解説します!

スポンサーリンク

新卒で介護を選ぶ前の僕のリアルな心理状況

まず始めに僕について手短かにお話しすると、

東京の四年制大学の法学部を卒業し、新卒入社で介護の会社に入っています。そのまま高齢者向けデイサービスに配属になり、介護職→生活相談員→施設長(管理者)となりました。

結果としては多岐に渡る業務や業界の仕組みをおよそ把握できる役職まで勤めることが出来ましたが、

就活当時、介護業界を選ぶ事に不安はなかったのか?

というと、

正直めちゃくちゃありました。

 

理由としては、よく言われる

・介護は3K (きつい、汚い、危険)。

・給与が低い。

・若い職員が少なく、女性の職場イメージ。

・まわりに介護業界に進むことをアリと考えるやつがいない。

・親から心配される→「大卒なんだから他にももっと良いところあるだろ!とか言われる」

などがあったからです。


しかし、実際に働いてみるとイメージは変わりました!

学生が就活に介護業界を選ぶメリットについて

先に結論からお伝えしますと、

今の時代で介護業界を選ぶのはアリだと思います。

これは、僕が介護業界にいるから勧めたいわけでなく、

令和時代になり、流れ的にも介護ないし福祉に関わる仕事から、得られるメリットが今後増える事が予測されるからです。

 

介護の仕事で得られるメリットを大きく4つご紹介します!

①人の役に立ち社会貢献できる!

②高齢化社会の為、今後も需要のある業界

③AI時代でも仕事スキルとして強い!

④どこでも働ける!

人の役に立ち社会貢献できる!

実際介護の仕事で働く人を見てても、

「人の役に立ちたい!!」

「社会貢献したい!!」

と少なからず考えている人が集まっていると感じます。

そして、マジで社会貢献している仕事なのは間違いないです。

 

直接利用者や介護する家族の困っている社会的課題に対し、手助けをしていくのが介護の仕事だからです。

 

たとえば、家でぼーっと過ごし、昼夜逆転で夜間徘徊して、家族への暴言も絶えなかったお年寄りの方が、

訪問ヘルパーやデイサービスを利用を始める事で、

・家族以外への自分の気持ちの吐き出し

・日中に人と会う約束や外出の機会の確保

・日中やる事が出来る事で生活リズムの修正

・サービスを通じての身体機能維持向上や意欲向上

・家族にとっては、介護負担の軽減や介護についての相談

などが出来るようになります。

 

介護現場はこうしたユーザーに対して、直接的なアプローチが可能な場といえます。

高齢化社会の為、今後も需要のある業界

日本の人口動態を見ると、おおよそ1970年代あたりから急激に少子高齢化しており、以降ますます高齢者人口は増えている状況です。世界的にも高齢化は進んではいますが、日本の高齢化スピードは急激で『日本は超高齢社会』と言われています。

そして2025年に団塊の世代が75歳を迎えさらに高齢者人口は増える事が確実となっています。

今後、高齢者を支える医療やテクノロジーの発展が望まれていますが、現状の課題解決には介護の仕事が大きく関わっています。

しかし、介護業界は働き手の人材が不足しており、これからもさらに必要とされる状況になっています。

 

たとえば、将来自分の親が倒れてしまい、要介護状態になってしまった事を想像してみて下さい。

その時、親の介護が出来るでしょうか?

実際考えて見ると、

・仕事をしていて親の介護が難しい。

・まわりの家族、親戚が助けてくれるか不安。

・親の認知症の症状についていけない。

・介護より、子育てや自分の時間を持ちたい。

こんな状況になってしまったりします。

 

上記の例は、現実起こっていて、誰に起こっていても不思議ではない事です。

また、核家族化している社会背景もあり、こうした問題を一人で抱えるなんて事が今後ますます増えて来ています。

その為支援してくれる介護サービスや人材がたくさん必要なんですよね。

 

今後も介護の仕事に需要があるのは確実です。

AI時代でも仕事スキルとして強い

AI=Artificial Intelligence=人工知能を表します。

AIが社会を変える!

AIによって仕事を奪われる!

など叫ばれていますが、

介護の仕事はAIによって効率化はされる部分はもちろんありますが、仕事を奪われる事はほぼない上に、

これからAI時代を迎える上で人間の労働に必要とされるスキルを身につけられます。

理由としては、

①介護の仕事は、作業的にも複雑であり、機械に代替する事が難しい。

②AI社会で価値が出てくるのは、コミュニケーション能力や人間的資質など。

特に②の価値を伸ばす環境としては、かなり特化している業界といえます。

人の人生に家族のように深く関わり、多くの複雑なコミュニケーションを行い、問題解決をしていくという仕事だからです。

この点について詳しくは別記事にしていきます。

どこでも働ける!

上記メリットで、人手不足になるくらい需要があって、スキルも得られる仕事であるという事は、

ぶっちゃけどこの地域に移住する事になったとしても働ける仕事ともいえます。

業務相談は必要ですが、結婚して子供産んだ後も復帰しやすいです。女性の割合が多いのもこの辺りが要因の一つになっています。

 

資格としても、

・介護福祉士

・社会福祉士

・精神保健福祉士

など国家資格としてお墨付きとしていくつか示せるものがあります。一応民間資格ですが、介護支援専門員(ケアマネ)資格も強いです。

また、

・准看護師・正看護師

・保健師

などの資格は介護分野と医療分野を行き来して働ける資格でもあります。

仕事としても、都市圏に住んで働く優位性は他の業種と比べて強くはないので、都市や地方問わずスキルを生かして働けます。

介護の仕事のデメリット

やりがいは理解出来たけど、実際デメリットはどうなの?

という部分にも正直に答えていきます。

介護職は給与が低いのか?

「介護業界に勤務する方の給与が低い」

というのはよく聞かれますね。

 

率直にお話しすると、正社員採用の場合で初任給はそこまで低くありません。

地域や法人によって異なりますが、関東の場合は未経験無資格で21万前後といったところが多いようです。他の業種と比べ、明らか低いかと言われると実際はそうでもなさそうです。

 

ただ、ここから給与の上昇率はどうか?

というと、正直上昇の伸び率は高くないです。

ここが、長期で見たときの給与の低さに繋がっています。

長く勤めていても、給与があまり変わらない職員の不満がネットに溢れているのは、これが原因です。

 

しかし、なぜ介護職の給与は低いのでしょうか?

理由が大きく2つあります。

介護サービスのビジネスは天井モデルだから

国の行政で、介護サービスの事業には様々な規制がかかっています。その中で収益に関わるものとして、利用定員を各サービスや規模によって制限する決まりがあります。

例えば民間のデイサービスを運営しようと思ったら、

一日当たり一名の利用者を受け入れるのに、3平方メートルのフロア面積が必要です(2019年現在)。

例えば、60平方メートルのフロア面積を持っている施設では20名の利用者までが受け入れ可能な定員の限界値であり、

1日当たりの収益の確保は最大で20名の利用者の利用料から、報酬を得られるということ。


つまり一日の売り上げに限界があり、法律で決められている施設の受け入れ可能定員の利用料の合計が最大値という事になります。

限界があるという事は、一時的に調子が良くても落ち込んでしまった時に取り返すのは難しく、経営的には繁忙期や閑散期は作らず安定的に稼働させる必要が出てきます。

介護報酬の売り上げは約9割が国の税金だから

実は利用者の利用料の大半は、国の税金から成り立っています。学生の方はピンとこないのもそのはずで、介護保険料の徴収がスタートするのは40歳からになります。

かなり省略して説明すると、40歳〜65歳まで徴収され、要支援要介護状態になったときに介護保険を使って、割引でサービスが使えるという仕組みが介護保険制度です。

大まかな介護報酬の仕組みとして、

例えば、利用者Aさんが1ヶ月10万円の介護サービスを介護保険を使って利用された場合、

利用料10万円のうち

→1割の負担が利用者Aさんの負担

→9割の負担が国の介護保険料から負担

※利用者Aさん負担割合を1割区分とした場合。

となります。

※利用者の負担割合は、現行の所得区分に応じて1割〜3割が基本となっています。

何が言いたいかというと、

ここまで国の税金に頼ってしまっているので、当然国としては社会保障費を抑える為に、たくさん利益が得られるようなモデルとして制度を作ってはいません。あくまでも社会保障を目的に作られた制度です。

給与が上がりにくいのは、「ブラックな法人や上司のせいというよりも、国の社会保障制度の一環のビジネスモデルだからしょうがないんよ」というところが背景にあるのです。

3Kについて

3K=汚い、キツイ、危険

なぜ介護は3Kだから大変だ!というイメージがあるのでしょう?

おそらく、

『汚い』→排泄介助や入浴介助などから

『キツイ』→移乗介助や認知症の方の対応などから

『危険』→感染症のリスクなどから

だと思われますが、

正直、僕的には間違いでもないし、現場で介護をしていると逆の解釈もできるという印象を持っています。

例えば、現状働いていて、
排泄介助→汚物が汚くてやだ。よりも、ちゃんと排便出てるかの心配の方が大きく、出た時は利用者と一緒に喜ぶときもある。
認知症の方の対応→マニュアルもなく、対応がわからず確かに大変なケースもあるが、試しに行ってみた行動が家族含め生活を改善する糸口になることもあり、その瞬間の嬉しさがある。

などなどです。

 

3Kのデメリットについては、向き不向き人それぞれの解釈の要素が大きい気がします。

介護業界を志望する際のオススメ

メリット、デメリットふまえいかがでしょうか?

 

給与についてはの不安はあると思いますが、上記ではあくまで労働者としての場合でデメリットを上げました。

しかし経営者、フリーランス(個人事業主)などへシフトしていくなら給与面でも今後働くメリットは増えていくと思われます。

例えば、

介護技術のスペシャリストになる。→介護技術の研修講師や本の出版など。

介護の組織運営のスペシャリストになる。→介護経営のコンサルなど。

新しい介護サービスをする経営者になる。→介護×IT、介護×音楽・・など。他にも誰もやらない未開拓領域が多い。

・・・

このようになると、一般的な介護職の給与体系から外れるので給与の低さは関係なくなっていきます。

 

介護職も『個』を出していく時代です。

私の大卒の介護職のおすすめのキャリアとしては、

施設介護か在宅介護の施設いずれを選ぶにせよ、早い段階でリーダー役職→運営役職に就くのをオススメします。

現場から運営面までの役職になると、やる事は多く大変ですが現場のケア〜マネジメント、コスト管理、経営まで学ぶ事になるのでレベルアップする環境が圧倒的に違います。

ぶっちゃけ突き抜けると資格を持っているかどうかも、あまり関係なくなってもきます。

 

逆に、現状維持しようと働いていると、上記で給与について説明したようにあまり上がらないまま時間が過ぎていく可能性があります。

現場を引っ張る段階にきたら、別の業界にチェンジしたとしても、また他の介護に関わる仕事をしたとして経験は必ず生きます。

というか『私は管理者や主任になりたくない』という人も多いので、そこまで経験しようとする人は勝手に業界の中でレアになるというところもあります。

まとめ

学生が介護業界を選択肢に入れるのは、

結論としてはアリ!

です。

ただし、個を出せるくらいスキルアップする上昇志向は必須!早めにリーダー役職になる!

 

今回は、自分が悩んだ経験から学校卒業後に介護に就職しようと思っているけど、どういう方向性で進めばいいか悩んでいる方向けに記事を書きました。

少しでもお力になれたら、幸いです。読んで頂きありがとうございました。

 

就職後、20代の介護士が考えるべきことについては、こちらの記事をどうぞ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました