原因不明の咳出てませんか?高齢者の夏場の環境はエアコンのカビにも注意しよう【熱中症だけじゃない】

介護職の現場改善

夏になると、熱中症が怖い時期になっていきますよね。

 

それと同時に梅雨から夏の時期によくあるのが原因不明の咳や鼻水。

 

はじめは「ノドがイガイガする」「風邪かなぁ」と病院で風邪薬をもらうが、咳が長続きしてあまり治らない。気がつくと、夏の後半戦で肺炎と診断され入院。

 

そんな高齢者の方をデイサービスでの関わりを通して幾度と見てきました。

で、そんな方の環境にフォーカスをして聞き取りしてみると、

梅雨時期でエアコンの清掃怠っていた家庭が多かったことに気づきました。

たまたまだったかもしれませんが、

翌年以降注意換気をしたら、夏場の呼吸器系疾患の悪化は大幅に減りました。


今回は、

夏場のエアコン清掃が体調不良を防ぐポイントになる

という注意喚起の記事になります。

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なぜ、エアコンの清掃をしないとマズイのか?

繁殖したカビが部屋に広がる

梅雨頃から夏にかけて、段々と蒸し暑くなってくることもあり、

エアコンで除湿や冷房をかけることが増えてきます。

熱中症の予防や部屋干しの洗濯物を乾かす為にも必要なんですが、

エアコンの使用の際に、周囲の空気の温度差によってエアコンの内部に結露が発生します。

 

簡単にいうと、エアコンの内部に水気が出来てしまい、放置してると溜まったホコリと一緒に、

カビが増える原因となります。

 

問題はさらにそこからで、

エアコンの使用の際は基本的に、部屋の窓を閉めることが多く、部屋全体の温度が下がるように冷気が循環するようにするのが目的にあると思いますが、

それによって、部屋中に増殖したカビを空気中に撒き散らすことに繋がります

 

目に見えないから平気でいられますが、

部屋の中はヤバイことになっているかもしれません。

湿度60%で増えはじめ、75%で急激に増える

カビ自体はいくら清掃しても多少はどこにでもいるものですが、

湿度約60%から徐々に増え始め、湿度約75%くらいから急激に増加するようです。

 

日本はジメジメとした気候でもあるので、

湿度60%は夏場の雨の日などはあっという間にいってしまいます。

日本人が室内で快適に過ごせる湿度は40%〜60%なので、

体感的にも「今日はなんかジメジメしてイヤだなぁ。」

と感じたら、湿度は高い状態の可能性があります。

 

湿度が高くなるとイライラだけでなく、

カビの増殖にも一役買ってしまうので対策が必要ですね。

エアコンのカビが様々な病気の悪化を引き起こす

では、カビが増殖した室内環境にいるとどうなるのか?

 

呼吸器系疾患やアレルギーなど様々病気の悪化を引き起こす可能性があります。

たとえば、

・ぜん息

・肺気腫

・肺炎

・アトピー

・アレルギー性鼻炎

など

すでに何らかの既往がある方は要注意です。

大きな症状が出なくても、普段より体力が低下するなども起きたりします。

 

僕自身もぜん息をもっているんですが、

エアコンをつけてて喉がイガイガしているのをちょっと放置していると、今度は呼吸がゼーゼーしたりするので、実感があります。

 

既往のない方でも、

特に夏場はトリコスポロンという種類のカビの繁殖がしやすく、

このカビに対するアレルギー反応が原因で発熱や咳や息切れなどの症状が発生する

過敏性肺炎を起こす原因にもなったりします。

 

これが高齢の方の場合は、重い症状がすぐには出にくかったりもするので、さらに注意が必要になってきます。

単なる夏風邪のような症状で治ればいいですが、高齢で呼吸器系の悪化が進むと酸素療法や気管切開などせざるを得なくなることにも繋がることもあるのが怖いところです。

 

幸い、環境の見直しで改善できる部分が大きいのでまずは対策をたてましょう。

【参考】アンファーからだエイジング「カビは思わぬ不調の原因にも! 「夏型過敏性肺炎」にご用心」

夏場のカビ対策について

定期的に清掃する

まずはシンプルに掃除しましょう。

エアコンであるなら、

・内部の水滴を拭く

・フィルターのホコリを取る

まずはこれだけでも全然違います。

 

ただ注意点として、

カビには塩素系漂白剤(たとえばカビキラーなど)が有効とされていますが、エアコンの清掃の場合は金属を腐食させてしまうのであまりオススメできません。

いくつか清掃系サイトで調べてみると、

・中性洗剤

・重曹

・エアコン専用のフィンクリーナー

など

を使用すると良いようです。

ただ、どうしてもかなり汚れがひどい場合は業者にクリーニングを依頼したり、

買い換えるなど検討してみるのも健康のことを考えると、判断としてはアリではないでしょうか。

 

また、台所や洗面所などジメジメするところなどの清掃もしていけば、室内環境の悪化を予防に繋げられます。

使用後に送風を使う

夏場は冷房や除湿をするたびに、水気が発生してしまうのはもうしょうがないです。

であれば、どうにかして使用後にエアコン内部を乾燥させると良いです。

 

方法としては、

エアコン使用後に送風を30分〜1時間使用する

です。

 

常時かけっぱなしの方もいるかもしれませんが、

外出の際などでタイマーかけて乾燥させておくなど、乾燥させるタイミングを作ってみるのも大事ですね。

湿度を上げない、湿度を下げる

部屋の湿度を下げるのをエアコンの除湿以外でも下げておくことで、

空気中のカビの蔓延を軽減できます。

・除湿剤を使う

・除湿機を使う

また、梅雨時期などはしょうがないかもしれないですが、

・部屋干しを基本しない

のも出来たらやった方がいいです。

 

どうしても、部屋干しせざるを得ないのであれば、扇風機やサーキュレーターを使用したり、

乾燥機を使用したりするようにしましょう。

換気をする

部屋を閉め切ってしまうことで、カビが外に出ずに増殖してしまう問題があるので、

こまめに部屋の換気をしましょう。

 

ポイントは、

・窓や扉を開け、空気の入れ替えをする

・換気扇を回す

・窓を開ける際などに空気の動線を作る

・扇風機やサーキュレーターを使用する

です。

 

空気を入れ替えて、循環させるのが大切です。

注意点としては、夏の場合は外の空気も湿度が高かったりするので、窓などを開ける際は空気の動線を良くして、扇風機などで短時間で空気を循環させるのもポイントだったりします。

カビ対策にマスクを使用する

新型コロナウイルス対策でマスクを着用していたりしますが、

カビ対策でも着用する意味はあります。

 

注意点としては、使い捨てのサージカルマスクなら大丈夫ですが、

長時間使用したり、清潔でない布マスクの場合はかえって雑菌やカビの温床にもなってしまったりするので気をつける必要があります。

どうしても同じものを長時間つけなきゃいけない場合は、どこかで乾燥させるタイミングを持つなど工夫した方がいいでしょう。

終わりに:高齢者の環境は特に注意が必要

上記でカビ対策について挙げましたが、

高齢者の環境整備は結構難しいケースもあったりします。

 

自宅に介護者がいれば、その方が気づけば対応できますが、

独居で暮らしている高齢者の場合は、

中々掃除が出来ずのままの場合も少なくないです。

 

そんな時、部屋を訪れた家族や知人、介護専門職が声かけしたり、

清掃のお手伝いをしてあげることができれば、カビによる肺炎などのリスクを下げることも出来るかもしれません。

 

僕がデイサービスの管理者をしていた時に、7月頃から咳こむ方が増え、8月の中旬から肺炎になるというパターンを毎年のようにみることがあり、

カビ対策に関しての注意喚起をデイとご家庭で具体的にアナウンスしたところ、それ以降の夏場の咳き込みからの体調不良者は激減しました。

 

介護施設でも業者によって定期清掃出来ているところもありますが、

職員管理で清掃している事業所などは、必ずエアコンの清掃を対応しておいた方がいいです。

そして、出来たら注意点を利用者さんやご家族に共有しておくと、予防になり、利用率の減少にも繋がっていくんじゃないかと思います。

 

今回の記事は以上となります。

読んでいただきありがとうございました。

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