ブログやSNSなどで介護関係者の投稿をみていると、一時期はネガティブな投稿も多い時期がありましたが、
近頃はポジティブに前向きな投稿をされている方や、真摯に問題などを考えている方、
の投稿も増えてきています。
SNS利用の危険さは、この記事でもご紹介しました。
ですが、迷惑のかからない範囲で内部の情報をあえて公開するということにも意味はあります。
なぜなら、
事業所内部の状況を外部の人へ可視化することで、多くの関係者の共感を得てファンを獲得することにもつながっていくから
です。
今回はそのあたりについて解説していきます。
ストーリーを可視化(見える化)すると共感につながる理由
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ハード面よりハート面が気になる
介護サービスで皆さんが
「この事業所いいなぁ」
と感じるのはどんな事業所でしょうか?
もちろん、それぞれのニーズによって求めている条件は様々だと思います。
正解は特にありません。
綺麗で新しいところが良いという人もいるとは思いますが、
ホントにいいなぁと思える介護事業所は、人のハートが見える事業所ではないでしょうか。
PRする際にも、
介護サービスのハード面(施設の外観や環境など)よりも、
そこで働く介護士や看護士さんたちのハート面(配慮やケアへの姿勢など)の方
をアピールした方が関心をひくと思います。
実際、SNSなどの投稿をみても、
綺麗な事業所の外観PRと、人間味溢れる事業所の経験談では、
どっちの介護事業所の投稿に魅力を感じますか?
おそらく前者より多くの人が後者をとるんじゃないでしょうか。
見ている僕らは人間なので、
やっぱり人としての感覚が身近に感じる方が共感できるんですよね。
そして、共感したときの評価がそのまま、
「この事業所いいなぁ」
になっていきます。
冷静に客観的になって、徹底的に調査したらもしかしたら、
内部の人間味をあまり出さずに運営している事業所の方が、ホントは丁寧なケアをしているかもしれません。
でも、やっぱり内部で手探りでケアを行なっている様子を公開している方が、
安心するし魅力的に見えてしまいます。
WhatよりHowやWhyに興味が集まる
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もう少し深掘りして考えてみましょう。
周知活動の際にまず始めに事業所の名称などを紹介するわけですが、そこに価値はあるでしょうか?
言い換えると、
何者であるか(WhatやWho)ということ自体に興味は持たれるのでしょうか?
たとえば、
〇〇デイサービスって書いてたらデイサービスだと思うし、
〇〇訪問介護ステーションと書いてあったらヘルパー事業所って
見りゃすぐ分かりますよね。
困ったりしていなければなんとなく把握する程度が現実だと思います。
もしエリア内にデイサービスが一つしかないなら価値はありますが、
モリモリひしめいているのであれば、価値は薄くなります。
特色のあるPRをする為には、他の引っ掛かりが必要です。
実はみんなが知りたくなるのは、介護サービスの一つとしての表面的な姿ではなく、
その介護サービス事業所が
どうやって、どのように?(How)、そんな事業所になったのか?
どうして、なぜ?(Why)、職員の〇〇さんはなぜそんなことをしているのか?
というところです。
そこに興味が集まります。
2020年に小規模多機能ホームなどを運営されている、ぐるんとびーさんが深夜に利用者のおじいちゃんにラーメンを提供したことが話題になりましたが、
まさに当時みんなが気になったのは、
そのようなことに至った背景や
自分の事業所ではそんなことしないのになぜ?
というHowやWhyの部分の感情が出てきたからではないでしょうか。
反対意見も多かったですが、賛同する意見もそれ以上に多かった印象に残る投稿でした。
どのように見える化をしていけばいいか?
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発信していく手段は何を使えばいい?
発信の手段としては、
・SNS(Twitter、Instagram、Facebookなど)を使って発信する
・YouTube、TikTokなど動画コンテンツで発信する
・ブログやホームページなどWebサイトで発信する
・事業所新聞や地域情報誌などで発信する
・交流会や訪問PRなどで発信する
・事業所のパンフレットへの掲載
などが出来ると思います。
ぶっちゃけ、
何を使っていくかは、目指しているところにもよります。
「介護業界を盛り上げたい」
「広くみんなに知ってほしい」
「もっと事業を拡大したい」
などの思いがあるのであれば、人口が多いメディアで発信していかないと人の目に触れませんし、
「まずは、地域の方にしっかり把握してほしい」
のならば、ホームページの充実や地域交流に力を入れた方がいいかもしれないです。
インターネット上での発信に限って言えば、
最初は誰からも相手にされませんし、効果がでてくるまで時間はかかります。
発信を続けていくのであれば、
・交流しながら発信していく→SNSなど
・コンテンツとして情報発信していく→ホームページ、ブログ、YouTubeなど
という形になっていきます。
続けていくうちに改善を重ねたり、交流を重ねることでファンが増えていく構造にもなっているので、とにかく続けるのが大事です。
また、Webサービスはそれぞれ注目されやすくなるアルゴリズムが異なります。
ホームページでのブログなどでは、SEO(Googleなどの検索エンジンで上位表示されやすくなる仕組み)も多少なり理解していないと効果は低かったりするのですが、
SEOを狙っていくには文章を書く技術も求められるので難度は上がります。
YouTubeも同様にアルゴリズムはシビアです。
ストーリーのある発信はそのまま事業所の資産になる
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なので、シンプルに
デイサービスなどでブログをやっている場合は、ストーリーになる内容を記事にしていく方が良いと思います。
いつも同じようなことをしている事実だけの記事を量産しても、人を惹きつけるストーリー的な記事を埋もれさせてしまうのは勿体ないですし、
しっかりストーリーになっている魅力的な記事があるならば、
後々興味を持ったり利用を検討している人にとっては、魅力的な良い事業所であるかの判断材料の一つにもなっていく可能性が高いからです。
必ずしも作業的に毎日投稿すればいいわけじゃないということですね。
デイサービスのブログ記事の内容参考例
ちょっとデイサービスを例に参考例を出してみます。
①春夏秋冬のイベントの様子、外出レクの様子(どのように行なったのか)
②日々の活動の様子を通して得た、職員の感情や気づき、専門性のある見解
③普段のケアで注意していること、ケアに関する耳寄り情報
④感染症や事故などの対策、研修実施して学んだこと
⑤自慢できる取り組みや知ってほしいこと
など
これらを短い内容でもいいので記事として重ねていけば、
事業所としての後々に資産になっていくはずです。
ちなみにお堅い文章よりは、
柔らかく人間味が少し出ているような文章の方がウケが良いです。
見てくれた人が、
「こんな風に思ってやっていたんだ」
「しっかり出来るのはこういう仕組みや背景があるからなんだね」
と見た人に思ってもらえれば、事業所のブログとしては合格です。
ブログやSNS利用以外でできること(高稼働デイサービスで行った事例)
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多くの人に見てもらったり、新しい人への周知も重要ですが、
内面を可視化することで、
既存の関係者との信用や信頼をしっかり獲得していくのも大事なことです。
たとえば、
あえて本来はあまり見せたくないものの詳細を見せてしまう
という手法もあります。
僕自身、デイサービスの管理者をして稼働率100%近い運営を続けていましたが、
関係者へのサービスの可視化
は特に意識していました。
パンフレットや見学、職員の接遇などそういった外面の部分はどこの事業所も努力をされていると思いますが、
なかなか外に出しにくい内面をあえて可視化することも重要だと思っています。
もちろん、
良いエピソードなどの紹介、
働いている職員の思いなどを出していくというのも
一つ内面の可視化と言えるでしょう。
そういった良い部分だけではなく、
問題が起きたときやデメリットが予見されたときにどう考え、どう対応していくか
をしっかり意思表明できる。
という方がむしろ大事だったりします。
利用したり、お付き合いする側の目線で考えてみてください。
外面だけでなく、内面のマイナスもありつつも一つ一つ解決を考えてくれていることが分かる方が安心しませんか?
逆に「何か隠してるんじゃないだろうか?」と思うと、なんだかイヤになってきますよね。
僕の場合は、事故や苦情が起きた時は再発防止策などもケアマネージャーやご家族に書面や図表付きで共有していたりしました。(あまりに軽度な問題は流石に電話での連絡だけでしたが・・。)
ちなみに職員の精神負担もあるので、職員名などはAやBなどであくまで事業所としての対応として公開しています。
また、リスクを先に伝えておくというのもポイントです。
事故についてであれば、
「気をつけていてもどうしても起こり得ることを事前に説明する」
のは大事なことですよね。
終わりに
今回は、
「SNSやブログなどを活用してファンを獲得する仕組みについて」
解説してみました。
コロナで対面でのPRが難しくなっている今、Web上での発信は強化して繋がりを構築していくべきでしょう。
やり始めは成果が出なくとも、そうしたものが散り積もったあとに、
多くの人への周知や信用を次第に獲得できるはずです。
各事業所が感染対策等に尽力している中、
少しでも一助になればと思い記事を書きました。
今回は以上となります。
読んでいただきありがとうございました。
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読んでいただきありがとうございました。
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