どうも!介護福祉士のなおべい(@naobei)です!
「介護って誰でも出来るでしょ。」
って声をたまに聞きます。
確かに人員不足な状況はどこも続いているし、
学歴や年齢が働く上で必須かと言われると、あまり関係ない。
在宅介護で専門的職ではない、家族だってちゃんと介護してる人もいる。
そう考えると、
ある程度健康と常識があれば、誰でもできる仕事な感じはする。
それはおそらく今のところ大きく間違いはない。
しかし、だからといって、
できる = 活躍が出来る
かどうかは、単純にそうではないかもと思う気もします。
今回はよく議論になったりする、
「介護って誰でも出来る仕事なのか?」というテーマです。
実際、どうなのだろうか考えていきます。
介護は誰でも出来るのか?
介護の仕事でも必要なスキルの範囲はそれぞれ違う
介護の仕事といっても、
・資格や役職(介護補助、介護福祉士、生活相談員、ケアマネージャーなど)
・サービス形態(特養、老健、デイサービス、訪問ヘルパー、サ高住など)
が様々で、ぶっちゃけ範囲が広いです。
「介護=お年寄りの身の回りのお世話」のイメージ
があるかもしれませんが、利用者さんごとにニーズは異なりますし、それに対応する手段や方法も大きく違います。
また、誰でも出来る雑務や少し覚えれば身につく技術もあれば、
専門性が高かったり、何度も練習や実践を繰り返しようやく身につくものまであります。
そのため介護全体を指して出来るか考えてしまうと、
「全部できるようになるのは難易度高い」
と言わざるを得ません。
10年以上やっていても全ケース上手くやれますという人は、中々いない気がします。
誰でも全部に対応するのは残念ながら難しいですが、
部分的ないし、基本介助までなら未経験でも一ヶ月もあれば覚えられる業務も多いので、
そういう意味では、
十分戦力として戦っていけるようにはなれる
と思います。
しかし、そのままでは戦場に出たばかりの量産型ザクみたいなもんです。
介護の専門職がみんなそのレベルでは現場は回りません。
専門的な知識や技術を持っていないと対応できないケースの利用者とも関わる機会があるからです。
・重度の認知症や高次脳機能障害で周辺症状の重い方
・抑うつや精神的なムラが激しい人との関わり
・筋萎縮、全身拘縮、麻痺、視聴覚障害のある方の身体介助やコミュニケーション
・バルーン、経管栄養、酸素療法中など医療処置の必要な方
など
そして学ぶことについて考えても、
・医療に関すること
・薬に関すること
・心理(健常者から認知症や精神疾患含める)
・栄養や口腔機能
・法律や制度
など
結構広いです。
さらに、自身で身につけるスキルとしても、
・複数の人を同時並行で介護する情報処理能力
・危険予測や気づける能力
・多少の理不尽ではへこたれないセルフマネジメント能力
なども求められます。
他の専門職との連携も取れるので、
全部の介護サービスにこれら全ての能力や学習が必要とはいいませんが、
働くサービスや役職によってはある程度網羅しておくことが必要になります。
もしかしたら将来的には、AIやロボティクスのサポートが得られ、こうした広い範囲を一人で全部対応出来る時代も来る可能性はあるかもしれませんが、
現状はまだ厳しいです。
介護現場に入って、はじめの段階のハードルはそこまで高くはないですが、
ちゃんと活躍できるようになるにはやっぱり相応の努力は必要といえます。
介護職じゃない家族のほうが出来ることもある
介護職になれば、たくさんの色んなタイプの利用者さんと関わったり、
優秀な同僚の対応を直に見て真似することが出来るので、
自然と「介護」は上手くなっていきます。
一方で、介護の仕事未経験でも専門職より素人の方が上手く出来る場面もぶっちゃけあったりします。
家族が介護をする場面です。
・介護する身内と長く時間を共にしており、たくさんの情報を持っている
・今やインターネットなどで、専門的な知識をいつでも確認できる
こんなことがあったりするので、
やる気がある人であれば、介護職より知識や技術が勝る人もいたりします。
自分の身内の介護だけを考えたら、家族の方がプロであることもあったりするんですよね。
ただ、色々と調べて分かるようになっても、
時間や物理的に家族だけで全部に対応するのははやっぱり厳しいときもあります。
仕事や子育て、自分の時間なども必要だからです。
また、老いによる体調変化や認知症などの進み具合などによっては、まだ経験したことがない段階も出てきたりするので、
負担の軽減や適宜な対応をするためにも、経験豊富な専門職の手はやはりあった方がいいです。
介護はみんな出来るようになった方がホントはいい
僕自身は介護の仕事をしてるわけですが、
ホントは介護の仕事をしていない人でも、
ある程度は介護が出来るようになった方がいい
と思っています。
いうまでもなく、介護は「介護職だけがするものじゃない」です。
今現在はいざとなったら、
「介護サービスを使ったり、施設がある。」
という状況ですが、
今後、国の社会保障のカバーが厳しくなる可能性があるのと人口動態的に要介護者が増えることが重なってくる一方で、支える現役世代や実際に介護にあたれる介護職の割合が少なくなることを考えると、
ベッド不足でいっぱいになってしまう施設系サービスを使うことよりも
家や地域で介護をする在宅ケアが中心にならざるを得ないと思います。
もしかしたら、
現在のように
「介護の仕事をしている人にとりあえず任せとけばいい」
という状況じゃなくなるかもしれません。
であるなら、
たとえ介護の経験がない方であっても、
やっぱりちょっとした介護スキルは持っていた方がいいと思います。
ちょっとした気構えとも言えるかもしれません。
たとえば、
自分の親やパートナーなどの介護が必要になったときに、
出来る範囲で手助けできるくらいにはいてほしい。
僕が最低限みんな覚えてほしいなぁと思うのは、
・家で一緒に過ごす際の出来る範囲での身体介助(食事、清潔保持、服薬管理など)
・認知症などになっても何気ない会話でのコミュニケーション
・体調や気持ちの変化の観察
・困ったらインターネットで調べる
です。
困ったらネットで調べることはスキルでもないかもしれないですが、
ぶっちゃけかなり重要です。
介護専門職であっても、分からないことは普通にググります。
知識を得て問題にすぐ対処するのは重要なスキルだと思います。
そして、介護するようになった人に対して、
普段の生活の中での手助けや関わりが出来るだけでも、
「介護をしてる」
と十分言えると思います。
身内の介護は子育てなどと違い、いつ終わるかが明確には見えないので、
家族で助け合ったり、時にサービスを使ったりして負担が偏り過ぎないで持続できる道を探れるようになるのがいいです。
いつの日か、学校教育とかでも教えてくれるとホントはいいんですけどね・・・。
まとめ
・介護の仕事自体は、職に就くハードルは低く、技術習得まで時間がかからないものもあるので誰でも出来るやりやすさはある。
・一方で色んな利用者さんのケースに対応しなくてはいけないので、ちゃんと活躍するにはやっぱり色んなことを網羅的に覚えなきゃいけない。
・在宅でも頑張って介護をしている家族もいることから、十分専門職じゃなくても出来ることはある。ただ、持続しなくちゃいけないので、助けを得られる道を探る必要がある。
今回は、介護は誰でも出来る仕事なのか?ついて考察してみました。
記事は以上となります。
読んでいただきありがとうございました。
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