デイサービスなどの介護施設で採用を経験してきて、
採るかどうするか考えるときに、
履歴書に飲食業の経験があると、
「未経験でも頑張ってくれそうだなぁ」
と思うことがよくありました。
実際採用してみても、
当たりのケースが多かったし、
介護の仕事で関わっていて出来るタイプの人も飲食経験がある人が割と多い。
周囲の管理者以上の人たちと話していて、
中には学歴以上に重視するという意見も出ていたり。
今回は、
なぜ飲食業界から介護士にくる人ってできる人が多いんだろうか、
考察してみます。
なぜ、飲食経験のある人は介護ができてしまうのか?
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コミュニケーション慣れしている
飲食業は、単に食べ物を作って出す、ってわけじゃないですよね。
お客さんからすると、
オーダー→調理→提供→会計という順で進んでいますが、
店舗の準備や、環境整備、広告、店舗誘導などもあって、
しかもアルバイトから店長までチームで行うような業態でもあります。
そして、
お店ごとにもちろん売りとしているコンセプトは違うとは思いますが、
店員のコミュ力(トーク力だけでなく、TPOの配慮も含めて)で、
利用するお客さんの購買意欲や居心地の良さは変動していきます。
つまり、自然と
・お客さんとのコミュニケーション
・店員同士でコミュニケーション
の両方が求められる環境になっているんですよね。
介護も同様にコミュニケーションの取り方次第で、その人のやる気を引き出せたり、失わせたりすることが顕著に出てくる仕事です。
めちゃめちゃ人対人の仕事なので、コミュニケーションは超重要。
その感覚を前職の経験で持っている人は、それだけで一歩リードしています。
例えば、
自然と利用者さんとまずはお喋りしてみようとか、
挨拶や自己紹介から話を広げてみようか、
笑顔で柔らかい物腰で話せる
などが言われなくても出来たりすることも多いです。
スキルとして「コミュニケーションの常識」を押さえているだけでも、ありがたい。
コミュニケーションに慣れている人からすると、ごく自然なことなんですが、
やっていない人からすると初めは出来ないことだったりもします。
サービス精神がある
介護もサービス業の一つです。
物的なものではなく、支援するというサービスの価値を提供している仕事なので、
どう付加価値をつけるかは、サービスを提供する介護士次第。
言ってしまえば、サービス精神があるかないかで差が出るところでもあります。
たとえば、デイサービスの場合だと、
法律上は「送迎」→「入浴」→「食事」→「機能訓練」→「送迎帰宅」とプランを組んでいてサービスを提供すれば、デイの機能は果たしているといえるかもしれません。
けど、実態はお風呂入ったら、ほぼテレビを見ていて、たまに食事と体操をしただけで一日が終わったというケースもあったり・・・。
もちろんそれでいいと言う人もいます。
しかし、そこでもし実際に自分がデイに行く立場になったら、
そういうデイにお金と時間使って行きたいですか?
何も特別なことを加えるとかではないんですが、
普段のサービスにどう付加価値をつけていけばいいのか考えるのが、
飲食業のビジネスと通づるところがあったりします。
・送迎中にも会話をしながらコミュニケーションをとる
・利用者のペースを確認しながら介助を行う
・レクや交流の機会を積極的に作れる
など
介護をやっている中では、そんなこと別に気にしなくてもいいじゃんという方も、もしかしたらいるかもしれませんが、
付加価値をつけたサービスをしていこうとする配慮の積み重ねが、
自分自身の出世や、事業所の利用者獲得などに関わる要素にもなるので、大きな差になっていきます。
マルチタスクに対応できる
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介護サービスは人手不足ということもありますが、
分業できずにマルチタスクで仕事をこなさなきゃいけないことも多いです。
送迎やって、食事介助やって、レクやって、記録と計画書作って、契約もやって・・・・など。
そんなときに、重宝されるのは、マルチに仕事をこなせる人。
・記録を書きながら、見守りして必要な対応ができる。
・他の利用者も気にかけながら、食事介助ができる。
・利用者対応が落ち着いた隙に、報告書や計画書などをさっと作れる。
など。
マルチタスクが出来る人って
・何か別のことをしながら、手も動かせる
・脳の切り替えのスピードが早い
ような人を指すと思うんですが、
まさに介護の仕事では需要が高いです。
テキパキ業務をこなしつつ、利用者のペースにも合わせられる余裕も持てるような人が多いです。
飲食の方が大変
「介護はブラックだ」という意見も巷で聞いたりしますが、
「いや、ウチの方がブラックだったよ」
という飲食業界出身の方の話もよく聞きます。
何をもってブラックかとかは、ぶっちゃけ人それぞれなのでここでは割愛しますが、
・長時間の労働
・休みが不規則
・数字が出なければ閉店まで早い
・スタッフのバックれや欠勤が普通にある
・クレーム対応も多い
・繁忙期の忙しさは異常
など
こんな環境でやってきている人も結構多いので、メンタル的にも体力的にもタフだったりします。
介護の仕事も、もちろん大変さはあるんですが、
飲食で培ったタフさは、間違いなく生きると思います。
介護でなら貴重人材になれる
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飲食業界で学んだスキルは介護と相性がいい
飲食業界で学ばれてきたスキルは、介護の仕事についたとしても無駄にはなりません。
コミュ力やマルチタスク処理力などはもちろんですが、
調理スキルや在庫管理、その他生活上スキルなども役に立ちます。
例えば、小規模のグループホームでは、
スーパーに買い出しに行って具材から調理を作ったりもすることがありますし、洗濯や清掃なども日常的に行なったりします。
そんなとき、レストランなどのキッチンで調理経験があれば、素早く美味しい料理を利用者さんに安全に提供出来るでしょうし、家事のようなものは知っているかどうかで効率化する細かなテクがたくさんあるので、
職場にいると重宝されます。
また、そうしたスキルを利用者さんに寄り添ってケアに生かすこともできるので、
介護の専門的なことはよく分からないけど・・・という人でも、初めから活躍できる部分はあると思います。
こちらの記事が参考になります。
ケアとビジネスを両面で見れる視野は重要
介護業界に興味をもったとして、排泄や入浴などにだけ関わっていけばいいのが介護職ではありません。
支援するために計画書を作成したり、リスクヘッジや今後のケアを考えるカンファレンスを開いたりもします。
それ以外にも、介護サービスをしっかり、ビジネスとして見る目線も大事です。
飲食店などでPL(損益計算書)と毎月向き合っていた人なら、当たり前かもですが、
サービスを継続していくには黒字化していかないといけません。
介護サービスの場合は、基本的に土日や年末年始に忙しくなるような繁忙期というものはないので、「いかに安定的に黒字化させていけるかが肝!」となります。
なんですが、現場の介護職さんは介護業務においてのマネジメントはリーダーになって出来るようになっても、経営上のコスト管理や仕組み作りが苦手な介護士も多かったりします。
そこに、
「オレ(わたし)、そーいうの得意っすよ〜」
という人がいたら、おそらく任せてもらえる確率は高いと思います。
未経験から早めに成り上がりたいなら・・・
![](https://reiwanotasuke.com/wp-content/uploads/2020/06/ADIMGL6716_TP_V4.jpg)
ここまで、飲食出身の方の長所をあげてきました。
ただ、介護の仕事といっても、
それまでのスキルを生かせる環境にいかないと、すぐに出世は難しいかなと思います。
僕個人としてズバリおすすめを言うと、
在宅系サービスへの転職です。
例えば
・デイサービス
・訪問介護
・グループホーム
・小規模多機能型居宅介護
などの在宅支援に特化した介護サービスの形態です。
おそらく在宅系ならどこでも大丈夫だと思います。
飲食業界でそれなりにバリバリやってきた方なら、いきなりレベル20くらいからスタートするような感じで活躍できるんじゃないでしょうか。
そこに介護の専門性をしっかり学んでいけば、職場の柱になっていけるはずです。
なぜ、在宅系サービスの方がおすすめなのか?
と言うと、
飲食業での経験が活かしやすいからです。
介護サービスは他にも、特養や老健、病院など施設系のサービスもあります。
もちろん、そちらでも活躍できるようになる可能性はあると思いますが、
在宅系サービスの方が、
・コミュ力や生活スキル、ビジネススキルなどの総合力が求められる環境
・ベンチャー系企業も多いので実力を出せば出すほどさっさと出世できる可能性も高い
・介護福祉士などの資格を持っていなくても、早めにマネジメント職以上になれる可能性がある。(他スキルでカバーできている人限定)
こんな点で一歩リードしているからです。
介護業界での出世メリットについてはこちらの記事から。(20代向けとしていますが、他の年代の方にも当てはまる内容です。)
まとめ
飲食業界の人がもし転職をするなら、介護業界でどんな形で経験を生かせそうか、
解説してみました。
結論として、活躍できるところ多いのでマジきて欲しいです。
今回の記事は以上となります。
読んでいただきありがとうございました。
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